ヒトと清掃ロボットの協力により清掃能率を200%にする方法を、富士重工業と住商が提案

「国際ロボット展」にて、富士重工業と住友商事が、オフィスでの使用を想定した清掃ロボを発表した。これは「生活支援ロボット実用化プロジェクト」の一環である。オフィスを想定したデモンストレーション空間にて、ヒトと協力することによって清掃の能率がアップすることを示した。オフィススペース内の自分の位置を「レーザー三角測量」によってロボット自身が把握し清掃をする。ヒトは机の脇や下などを、コードレス背負いタイプのクリーナーで綺麗にしていく。デモンストレーションは4日に渡って行われ、このロボットのハイクオリティーさを伝えることに成功したようだ。
すでに晴海トリトンスクエア(住商の本社がある)で使用されているが、次いで住商八重洲ビルも使用をスタートさせた。今後の管理企業やビルのオーナーを対象に売り出す予定とのこと。

実用自体は10年ほど前から達成されていた。様々な導入例のあるオフィス共有スペースと照らし合わせて、軽量・ミニサイズ化したのが今回紹介したロボットである。また、垂直方向の動き(階段を上がるなど)は、エレベーターと連携させることによってロボット自らが行っていたが、軽くなったのでヒトがエレベーターを使いつつ手で運ぶことが容易となった。

そして、自分の位置をレーザー三角測量によって実行することにより、オフィス専用スペースにおける水平移動をする。いくつかの反射板を壁面に設置して、ロボットの上部分にある投光器から360°レーザーを使い、光が反射板から帰ってくるまでの時間を測定し、角度・距離などを把握する。前もって登録を行った反射板の座標位置と照らし合わせることによって、アングルや場所を推測する。段差やガラスのあるリスキーな場所に関しては、手間に置いた磁気テープによって回避する仕組みが盛り込まれている。

清掃員と協力して清掃が行われることが前提となっているので、あまり素早く動くことはない。バンパーセンサーとLRF(レーザーレンジファインダー)がロボットの前面の下の部分に設置されており、障害物や清掃員をレーザーレンジファインダーで認識してストップやスローを自らにかける。もしも触れた場合は、バンパーセンサーによって認識してストップする。今、絶対かつ安全なストップを実現させるため開発がNEDOプロにて行われている。その一部分がデモンストレーションとして公開されている。

コードレス背負いタイプのクリーナーを持った清掃員とロボットが協力して清掃を進める。自分の位置をロボットが把握しながら、机の間などを綺麗にし、ヒトは狭い場所や机の脇や下部分を綺麗にする。
これまでのアップライト形式の掃除機を使う場合の半分くらいの時間で掃除が済むと予想されている。オフィスのようなデモ空間の掃除においては、これまでのタイプの掃除機では4分くらいで半分ほどの広さしか掃除できなかったが、今回のロボットでは4分20秒前後で全てのスペースの掃除が完了した。また、一定の速度に達するまでは、アップライトタイプの掃除機に比べてもゴミを吸い取る効率にも優れているので「素早く」かつ「綺麗に」掃除することが可能。なお、ビルクリーニング企業のSCB(住商のグループ会社)と協力して清掃作業の効率化に関する検討が行われている。

今一般的に使われているオフィス共用スペース用の掃除機は、規模の大きいオフィスビルでなければコストパフォーマンスが低いが、オフィス専用スペースが一般的に広くなってきているし、価格帯もリーズナブルになる見込みなので、オフィスの規模が中程度であってもかなりのコスパフォーマンスが維持できると推定されている。

ビルの管理企業やオーナーなどが、基本的なターゲットである。清掃ロボをこれらに提供し、清掃ロボのプログラムを組むツールなどを、清掃事業者などに提供する。よりロボットを取り入れると見られているのは、清掃品質などを決めることになる管理企業である。また、生成ツールを清掃事業者が持つことで、清掃サービスを広めやすくなる。これにより、システム構築(経路作り・改良など)を外部に任せることができるので、富士重工業と住商の負担も減る。