知能技術は、石油化学コンビナートにおける触媒の抜き出し作業に向け開発した防爆・防塵仕様のクローラ型ロボット(写真)を紹介する。高温かつ粉塵が立ちこめる真っ暗な極限環境下で、自己位置および反応炉内の作業環境を3次元で認識することが可能。本体前方のプレートにより、反応炉内を移動しながら残存した触媒をかき集めて抜き出しが行える。また、高速道路の作業エリアへの侵入車両の検知に向け開発した画像処理システムを展示する。
クローラ型ロボットは、反応炉内の触媒を不活性化せず、かつ作業者の代わりに抜き取り作業を行うことを目的に開発した。最大の特徴は、粉塵が立ちこめる真っ暗な反応炉内で3次元認識が行えることにあり、反応炉内の上部に設置したステレオカメラとTOF(Time-of-Flight)カメラを併用して行う。
前者は、ロボットの位置姿勢の認識に使用しており、ロボットの上面に配置した9個のLEDをマーカとして捉えることで、それぞれの3次元位置を取得。これをもとにロボットの位置姿勢を推定する。後者は反応炉内の作業環境の認識に使用しており、近赤外線の波長域の光源により対象物までの距離計測を行い、3次元の距離画像情報を取得(地図生成)する。これらのデータを組み合わせることで、粉塵が立ちこめる真っ暗な環境下でも3次元地図を生成しつつ、ロボットの位置姿勢の把握を可能にしている。
反応炉内は揮発性ガスなどにより爆発の危険があるため、ロボット本体は防爆検定を取得できるレベルに仕上げた。また、崩れやすい不安定な触媒上で動作をすることを考慮し、これに対応できる独自機構も開発し実装している。
開発した3次元認識技術は、極限環境下での認識に広く利用することができ、例えば防爆・防塵仕様の産業用ロボットと組み合わせれば、通常の視覚センサや画像処理では難しい、粉塵が舞うような暗所での対象物のピッキングに使える。iREX2011では、ダストが多い過酷環境下で対象物の認識に向け広く提案する(サポインで開発した事情から実機の出展はない)。
出展を予定する画像処理システムは、ステレオカメラにより前方300mにわたって、3.5mもしくは3.7mの幅で長距離計測を行い、作業エリアに侵入する車両の特定ならびに距離および速度を測定する。ステレオカメラの設置場所から300m以内の警戒エリア内に車両が進入しないかを監視し、侵入したときは作業者に発報する。直線やカーブ、坂道など道路の状況を認識して警戒エリアを任意に自動設定できることから、特定エリア内の移動体の検知に向けて提案する。
特集コンテンツ一覧
●2011国際ロボット展(iREX2011)、過去最大規模で開催
― キーワードは、ランダム・ビン・ピッキング、ロボットセル、人共存システム
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