【問題作成&解説】
国際レスキューシステム研究機構(IRS)
神戸ラボリーダー 高森 年
※解答&解説は末尾をクリックして下さい。
【問1】(本質安全型アクチュエータ)
サービスロボットにおける本質安全型アクチュエータの制御の考え方として、最も適切な内容を次の中から1つ選べ。
(A)
アクチュエータ出力側のエンコーダにリミット値を設定し、その値をコンピュータで認識するようにプログラムをしておき、それにもとづいてアクチュエータの入力を制御する。
(B)
アクチュエータの出力側の力センサにリミット値を決定しておき、(A)と同じプロセスによりアクチュエータを制御する。
(C)
センサ → コンピュータ → アクチュエータによる制御系では遅延が大きいので、センサやコンピュータを経由しない、アクチュエータ内部の制御ループを設計することが望ましい。
(D)
サービスロボットの機能を犠牲にして、危険のない運動量以内で駆動するアクチュエータ仕様に変更し、再設計する。
【問2】(アクチュエータと負荷の整合)
アクチュエータ設計の基礎技術として、エネルギー発生源のアクチュエータが負荷とどのような原理で整合するのかを理解することは、サービスロボットにおける本質安全アクチュエータ技術においても重要である。これに関して最も適切な内容を次の中から1つ選べ。
(A)
エネルギー発生源と負荷の基本的な考え方は、エネルギー発生源の内部インピーダンスと負荷のインピーダンスの関係よって決まる。すなわち、鳳―テブナンの定理が基本的な原理となる。
(B)
エネルギー発生源の内部インピーダンスにかかわらず、負荷のインピーダンスのみで一意的に整合条件は決定される。
(C)
鳳―テブナンの定理は、エネルギーが機械量で定義される系ではその非線形性ゆえに整合条件を推定するのにまったく役に立たない。
(D)
通常、エネルギー源が自律的に負荷量を検知して整合するので、設計上このような条件を知る必要がない。
【問3】(センシングにおける情報変換)
本質安全設計を前提にした場合のセンシングにおける情報変換について、最も適切な内容を次の中から1つ選べ。
(A)
センサは、エネルギー場における状態量を電気信号による情報に変換する要素と認識されているが、本質安全設計においても同じ認識でよい。
(B)
センシングにおいて、1回の変換によって直接電気量に変換されるエネルギー場の状態量の種類は明らかにされている。しかし、直接電気量に変換されないそれ以外の状態量については、物理化学的な変換原理により電気量に変換され得る状態量に変換することが必要であり、本質安全設計においてはこの物理化学的変換原理が重要である。
(C)
センシングにおいて、1回の変換によって電気量に変換されるエネルギー場の状態量は明らかではない。
(D)
本質安全設計においては、センシングのプロセスや手法そのものが排除される。
【問4】(ハードウエアにおける安全化機能の組込み)
ハードウエアの安全化プロセスについて、最も適切な記述を次の中から1つ選択せよ。なお、選択肢の中で登場するCH(Critical Hazard)とは、ロボットの機能を実現するうえでどうしても除去できない残留リスクを生じさせる危険源のことを意味する。
(A)
ISO/IEC Guide51の精神にもとづき、サービスロボットを完成した後にリスクアセスメントを実施し、見つかったリスクに対して個別に防護対策を行い、対応できないリスクを生じさせる危険源に対してCHを宣言する。
(B)
ISO/IEC Guide51の精神にもとづき、サービスロボットを完成した後にリスクアセスメントを実施し、見つかったリスクを生じさせる危険源に対してすべてCH宣言をする。
(C)
ISO/IEC Guide51の精神にもとづき、サービスロボットを完成した後にリスクアセスメントを実施し、見つかったリスクを生じさせる危険源に対して保険をかける。
(D)
ロボットの企画・設計段階でリスクに十分配慮したサービスロボット製作をし、その後ISO/IEC Guide51の精神にもとづき、ロボットを完成した後にリスクアセスメントを実施する。見つかったリスクに対し防護対策を行い、対応できないリスクを生じさせる危険源に対してCHを宣言する。
【問5】(サービスロボットの本質安全と確率安全)
人とロボットの行動領域が共有するサービスロボットの本質安全の考え方について、最も適切な記述を次の中から1つ選べ。
(A)
サービスロボットのリスクアセスメントを実施し、明らかとなったリスクに対しハードウエア的な防御方法を適用すればよい。
(B)
サービスロボットをISO/IEC Guide51の概念に単純に従って安全化すればよい。
(C)
サービスロボットは産業用ロボットと異なり、人とロボットの行動領域が共有することを避けられないため本質安全を達成することは難しく、確率的なリスクが重要な指標となる。
(D)
サービスロボットのリスクアセスメントを実施し、明らかとなったリスクに対しCHを宣言して、これらに対し保険をかければよい。

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