【問題作成&解説】
長岡技術科学大学
システム安全系 准教授 木村哲也
安全安心社会研究センター 客員研究員 岩岡和幸
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【問1】(安全と倫理)
サービスロボットの開発技術者にとって、安全と倫理の関係を最も適切に表したものを、次の中から1つ選べ。
(A)
倫理にもとづく判断は、非常に高度な社会的責任が伴うため、経営責任者が行うべきことである。したがって、サービスロボット開発技術者は、経営者からの要求があったときのみ、倫理的判断に対する助言を行えばよい。
(B)
サービスロボット開発技術者は、技術的根拠が明確な関連法規と技術規格のみを判断基準としてサービスロボットの安全設計を行うべきである。倫理にもとづく判断は、不確実な要素を多く含むため、開発技術者はできるだけ避けるべきである。
(C)
サービスロボットは、社会から開発が要望されている技術であるため、安易な事故を起こし、社会の要望を裏切り、その発展が阻害されないようにすることが重要である。したがって、サービスロボット開発技術者は、安全の判断では倫理的な側面も考慮して慎重を期すべきである。
(D)
倫理にもとづいた安全上の判断は、人道上不可欠なものであり、サービスロボット開発における倫理の重要性に関しては、議論の必要はない。
【問2】(技術基準とリスクアセスメント)
産業用ロボットは、各軸のモータ出力が、それぞれ80W以下であれば、労働安全衛生規則(*)が適用されず、安全に関する特別教育を必要とする場合から除外される。この法令とサービスロボット安全の関係について、最も適したものを次の中から1つ選べ。
*:厚生労働省令。法令の1つ
(A)
サービスロボットは工場外で利用されるため、労働安全衛生規則とは関係がない。
(B)
モータ出力が80W以下のサービスロボットは、誰がどのように利用しても安全である。
(C)
モータ出力が80W以下のサービスロボットは、成人が利用する場合は、リスクアセスメントは不要であり、どのように利用しても安全である。
(D)
モータ出力が80W以下であっても、サービスロボット開発ではリスクアセスメントにもとづいた安全設計が必要である。
【問3】(安全認証)
安全認証に関する説明で、最も適切なものを次の中から1つ選べ。
(A)
安全認証を受けた製品で事故が起きた場合、事故は認証機関が見落とした危険によって起きるのだから、認証機関が事故の主たる責任を取る。
(B)
安全認証を受けた製品で事故が起きた場合、認証手続きに重大な誤りがなければ認証機関は事故の責任を問われない。
(C)
安全認証を受けた製品で事故が起きた場合、事故の責任は次の三者が等しく受け持つ。製品の製造者、技術規格の制定団体、認証機関。
(D)
安全認証を受けた製品で事故が起きた場合、事故は使用者の誤使用により起こるのだから、使用者が事故の主たる責任をとる。
【問4】(安全の事前責任と事後責任)
安全の事前規制とは、一定の安全認証を受けた製品のみが市場への流通が認められる社会制度である。この安全規制の国際的状況に関して、最も適切なものを次の中から1つ選べ。
(A)
安全の事前規制は、事故が起きる前に関係するすべての装置に規制が講じられるため社会コストが大きい。したがって、化学プラントなど大事故の起きる可能性のあるもののみ、安全の事前規制を適用するのが国際的な流れである。
(B)
安全の事前規制をせずに事故を起こした当該製品の責任のみを厳格に要求すれば、事故1件の対策費用で済むため社会コストは小さい。また、事故の制裁結果を公表すれば、関係者はこの制裁を避けるために適切な策を講ずる。この結果責任主義は、社会コストと事故防止効果を考えるとよい方法であり、日本だけでなく国際的にも広く用いられている。
(C)
安全の事前規制をせずに、事故を起こした当該製品の責任のみを厳格に要求する結果責任主義は、関連製品市場の縮小など大きな社会コストを生じる事が懸念される。ゆえに、国際的には安全の事前規制が主流であり、アジア諸国でもこの考え方が導入されている。
(D)
規制緩和は国際的な流れであり、安全分野でも事前規制を導入している国は減少している。
【問5】(安全確認型と危険検出型)
鉄道の踏切の安全を確保するために、踏切には、次の装置が一般に備わっていると考えられる。「障害物センサ(踏切内に侵入した車両等の障害物の有無を検知するセンサ)」「遮断機と警報機」「非常停止ボタン(非常時に踏切の周囲の人が押して、通行列車に異常を知らせるボタン)」。この踏切の安全上の構造について、国際安全規格の観点から、最も適切なものを次の中から1つ選べ。
(A)
踏切での事故は、遮断機と警報機による警告を無視して無理に踏切内に侵入した車両によって起きる。したがって、遮断機と警報機が踏切の安全を守るのに最も重要な構成要素である。
(B)
踏切での事故は、車両の運転手や鉄道関係者の不注意から起こる。ゆえに、踏切の安全を確保するためには人への教育が最も重要である。
(C)
踏切での事故を効果的に防ぐためには、危険な状態になったら周囲の人間が素早く非常停止ボタンを押すことが重要である。この非常停止ボタンを積極的に利用した安全確保の手法は、費用対効果の面でも有効であり、非常停止ボタンの信頼性は踏切の安全の最も重要な技術課題である。
(D)
障害物センサは、踏切内に障害物がなく安全であることを列車に通報する役割を負っている。障害物センサの電源が故障した場合は、安全であることを通報できず列車は停止するが、これは安全側の故障であり安全上は問題ないと考えられる。

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