RT(Robot Technology)要素

 ゼットエムピー(ZMP)は18日、今年2月に発売を始めた小型オプティカルフローセンサモジュール「e-nuvo OpticalFlow-Z」を実車に搭載し、追い越し車両の検出に適用したと発表した(動画)。左車線を走行する先行車両の右側面に同センサモジュールを配置し、実際に右車線から別の車両が追い越すのを検出。移動体の相対速度の検出や死角に入った移動体の検知に使えることを実証した。5月23~25日開催の「人とくるまのテクノロジー展2012」で展示する。

 CMOS HDカメラとFPGA、メモリを一体化した5mm角の組込み型のセンサモジュール。サイズは50×50mm、重量16g。カメラ解像度は、最大1920×1080。最大240fpsで計測できる。ハエの目のメカニズムの応用により相対速度の検出や死角に入った車両の検知を可能にした。

 実験では、左車線を走行する先行車両(白色)を、右車線から別の車両(紺色)が追い越すというシチュエーションで実施。先行車両の右側面に同センサモジュールを配置して行ったところ、死角に入った紺色の車両の相対速度を検出し、その危険度を赤色にて表示できることを確認した(動画写真)。

 相対速度の検出のほか、それをもとに同センサモジュールを設置した移動体自身の動きを把握したり、固定して使用した場合は、対象物の速度を検出したりすることが可能。福祉車両や移動ロボットなどにも利用することができ、例えば、自動車では死角に入った車両や並走・追い越し車両の検出、歩行者や障害物の検出を、福祉車両や移動ロボットなどでは歩行者や障害物の検出などでの用途を想定している。

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写真 OpiticalFlow-Zを用いた実車による実験の様子。写真左は、紺色のクルマが先行する白色のクルマを追い越している様子。写真右は、後方からの紺色の車両を検出して赤く表示している様子。


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 パナソニックは16日、工場内での重量物の搬送用途に向け空気圧アクチュエータを用いたパワーアシスト技術を開発したと発表した。6軸力覚センサにより作業者の操作意図を検出し、必要なアシスト力を算出して搬送作業を支援する。重量物の搬送に伴い発生する振動を推定し、これを打ち消す力を与える(補償する)ことなどで、空気圧アクチュエータでは難しい正確な組み付け作業を可能にした。建設現場や介護福祉分野などへの応用も見込まれる。5月27~29日開催の「ロボティクス・メカトロニクス講演会2012 in浜松(ROBOMEC 2012)」で、ポスター展示を通じて詳細を紹介する。

panasonic_0517.PNG 空気圧アクチュエータの一種であるマッキベン式人工筋肉を計15本使用した。ゴムチューブとその周りを被覆する網目状のスリーブから構成され、ゴムチューブに空気を入れると円周方向に膨張し、かつスリーブの拘束力により軸方法に収縮することで力を得る特性を持つ。電磁モータを利用したパワーアシスト技術と比較してパワーウェイトレシオが大きい反面、正確な制御が期待できない。正確な組み付け用途にも使えるよう、おもに3つの新規技術を開発、実装した。

 1つ目は、人工筋肉を精密に駆動するための制御技術。人工筋肉のような空気圧アクチュエータは、入力と出力との関係が非線形となるため定式化が難しく、正確な制御を困難にさせる。そこで、実験にもとづいて3次元曲面で表現する独自の数値モデルを開発。また、人工筋肉は内部摩擦によりヒステリシス(現在、印可した力に加え、過去に加わった力に依存して変化する現象)が発生するが、これも独自モデルにより補正をかけることで精密な駆動を可能にした。

  2つ目は、重量物の搬送に伴い発生する振動を補償する技術。パワーアシスト装置の駆動部の運動方程式を、あらかじめ内部モデルとして保持し、これをもとに予想される重量物の振動の発生を推定する。推定値にもとづいて振動を打ち消すことで搬送時の不要な振動を補償できるようにした。

 そして、3つ目は、入力値をもとに必要な力および位置制御をする技術。操作を行うハンドル部に設置した6軸力覚センサにより操作力を測定し、これをもとに必要な力および軌跡をリアルタイムに算出し、力および位置制御を適切に行う。必要な慣性や減衰係数、剛性を実現することから、パナソニックでは「インピーダンス補償技術」と表現している。あらゆる方向(6軸方向)に対し、1/3程度の力で重量物の搬送や組み付けが行えるとしている。

 なお、人工筋肉の扱いに関しては、パナソニッグループ内では社内ベンチャーのアクティブリンクが得意としているが、同技術の開発には関わっていない。同技術のさらなる詳細については、ROBOMEC 2012以降に紹介する。


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 リコーは、5月9~11日開催の「第15回 組込みシステム開発技術展(ESEC)」でステレオカメラ方式の小型3次元距離センサモジュールを参考出展した(写真)。2つのCMOSセンサを搭載したカメラヘッド部分のサイズが8.7mm×14.4mm×8.3mmと親指の爪の半分程度の大きさながら、1mの距離で±3cmの誤差と高精度の距離測定(測距)を可能にした。高速オートフォーカスのほか、人や物体の検知、ジェスチャー認識など幅広い活用が期待される。製品化した際は、視差演算用ICチップとともに提供するとしている。

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写真 3次元距離センサモジュールの紹介パネル(左)と同モジュールによる計測(左)。写真中央の黒い物体がモジュールで、木製パレットに配置したサイコロなどを計測している。

 通常、ステレオカメラの測距精度は、左右の撮像素子の間に依存するため、精度とセンサモジュールの大きさはトレード・オフの関係にある。超小型のCMOSセンサの採用に加え、レーザ溶着を活用した高精度な組立技術により、親指の爪の半分程度サイズでありながら高精度な測距を可能にした。1mの距離の誤差で±3cmを実現している。

 視差演算用チップとの組み合わせにより通常画像と距離情報の同時出力ができ、画像認識処理を行うことで画像と距離情報との組み合わせによる3次元情報の取得や、多点測距による挙動検知などが可能。人および物体検知やジェスチャー認識など様々な用途に活用することができる。コンシューマ製品から産業機器への組み込みに対応できるとしている。
 現在のおもな仕様は、通常画像が8bit、視差画像が12bit、出力画像サイズが640×480画素。処理速度は15fps以上。


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 アプリックスは5月9~11日開催の「第1回 ワイヤレスM2M展」で、各種機器とスマートフォン(iPhone、Android端末)などとの連携を可能にし、M2M(Machine to Machine:機器間通信)を容易に構築できる「スマホ連携モジュール」を公開した。スマートフォンを経由してネットワークに接続するため、専用回線の契約が不要。モジュールの消費電力や製造コストを低減することができる。その一例として展示した「スマホ対応ラジコンモジュール」については、ラジコン用ライブラリとともにサンプル提供を開始する(写真は展示例)。すでに複数のラジコンメーカーや玩具メーカーから問い合わせを受けているという。また、実際の建設機械に組み込めば、スマートフォンを用いて遠隔操作も可能としている。

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写真 手前のスマートフォンを用いて玩具の建機を操作することができる

 海外の玩具メーカーの中には、スマートフォンやタブレットに対応した製品の販売を始めている。例えば、仏Parrot社が開発・販売する4翼ヘリコプター「AR Drone(エイアール・ドローン)」はAR(Augmented Reality:拡張現実感)技術を組み合わせることで、スマートフォンの画面を見ながらタッチパネルで操作したり、ARマーカを検出することでARを活用したゲームを楽しんだりすることを可能にしている。

 提供されるスマホ対応ラジコンモジュールを組み込むことで、同様にスマートフォンなどと連携したゲームの提供が可能。また、無償提供されるラジコン用ライブラリを活用すれば、各種ラジコンの特性に合わせたコントローラアプリを作成したり、ネットワークを活用したラジコン競技アプリを開発したりすることができる。
  展示会では、玩具の建機によるデモ通じてLED照明やエンジン音の切り換え、モータ制御ができることを紹介。実際の建設機械に組み込めば、スマートフォンから遠隔操作が行えることを示した。そのほか、血圧計などの健康機器などとの連携により健康データを取得できる例や、各種家電機器に組み込むことでスマートフォンと連携できる例を紹介した。

 なお、アプリックスはカナダSierraWiress社よりM2Mシステムの開発環境「WiressIDEA」の提供を受けている。Java言語と開発ツールを用いてシングルチップの無線機器やM2Mシステム、各種アプリケーションの開発に加え、各種シミュレーションなどが行える。


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 IDECは近く、セーフティセンサの拡充を図る。業界最小クラスのセーフティレーザスキャナを製品化するとともに、セーフティライトカーテンを全面改良して販売する。これら新製品の投入により安全制御システムの提案力を高め、この分野で先行するキーエンスやオムロンを追随する。2013年3月期には安全関連機器の売上高を前期比30%増に拡大する。

  セーフティレーザスキャナおよびセーフティライトカーテンは、内部の故障に対してハードウエアとソフトウエアの組み合わせにより常に安全側に働くよう、つまり故障しても機械が必ず停止するよう設計されており、一般的なそれとは異なり安全確認型となっている。

idec_0511.jpg  販売する「SE1L形」セーフティレーザスキャナ(写真)は、幅90mm×高さ97mm×奥行き99.8mm、重量約1kgと、セーフティレーザスキャナとしては世界最小クラスで、設置場所を選ばないのが特徴。機械を停止する防護エリアと接近を知らせる警告エリアを最大で48領域まで設定することができる。IEC61508の「SIL2」およびIEC61496-3の「Type3」に対応し、無人搬送車(AGV)や移動ロボットにも適用できる。価格は30万円程度を想定しており、6月中に発売する。
 IDECは2011年度より「生活支援ロボット実用化プロジェクト」にて、ゴルフカートを例に屋外搭乗型生活支援ロボットの開発に取り組んでいる(詳細はこちら)。移動ロボットに必要な検出角度と検出方向、距離精度が得られるといった利点に加え、(他社で)機能安全認証の取得実績があることから、新たなレーザスキャナを開発することを明らかにしていた。

 「SE4D形」セーフティライトカーテンは、従来機種「SE4B形」を全面改良して使い勝手を向上したのが特徴。底面積を約40%削減したほか、両端のデッドスペースをなくすことで本体長さと検出範囲を同じにした。価格は本体長さによって異なり、9万~42万円を想定。5月末の発売を予定する。

 これら新製品は、年内にも国内の自社工場に導入して製品PRに役立てる。さらに、営業拠点のIDECセールスオフィス(大阪市淀川区)にはデモ設備を設置し、積貨重量2tのキャラバンカーにも新製品を搭載して実演する。安全リレーモジュールや安全スイッチなど高シェアを持つ安全制御機器と組み合わせてシステム提案し、拡販を図る。


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 富士通研究所は7日、スマートフォンのカメラを用いて肌の状態を測定する技術を開発したと発表した。撮影時に使用する専用のカラーパッチの基準色により色補正を行うことで、肌の色の正確な測定を可能にしたのが特徴(は撮影イメージ)。専門家がいる化粧品メーカーなどの店頭に出向くことなく、家庭で手軽に肌の状態を知ることができる。今後、撮影方法をより一層の簡素化に取り組み、2012年度中の商品化を目指す。5月17日と18日開催の「富士通フォーラム2012」で公開する。

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 肌の色補正に用いるカラーパッチを開発することで、スマートフォンのカメラでの測定を可能にした。撮影時はカラーパッチを肌に当て、スマートフォンにより肌とともに撮影。カラーパッチには既知の色情報として基準色のパターンが配置されており、照明の影響により実際の肌の色と異なる色で撮影しても、基準色との色の差分情報を用いることで肌の色を補正することができる。また、基準色には4パターンが配置されており、これらを肌の上で様々な角度に配置することで、色ムラが生じた場合でも正確に色補正ができる。

 また、色補正を行うために、基準色のパターンの自動抽出技術も同時に開発した。撮影した画像からパターンの輪郭を抽出し、さらに各基準色の領域を自動的に抽出することができる。これにより撮影時に髪の毛や手などが基準色のパターンに映り込んだとしても、パターンを自動抽出して色補正を行えるようにした。

 利用者はスマートフォンを用いて肌の色やシミ、毛穴の目立ち度を測定できるため、店頭に出向くことなく手軽に肌の状態を知ることができる。また、企業は同測定技術を活用して自社サイトに誘導したり、商品レコメンドをしたりすることができる。
 富士通研では、撮影方法をより簡素化することでユーザービリティの向上を図り、2012年度中に商品化したいとしている。


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 パナソニックは、歩行者の検出も可能にしたミリ波レーダ技術を開発した。クルマのようなレーダ反射光が強い物体と、歩行者のような反射光が微弱な物体を同時に、かつ分離して検出できるうえ、夜間や悪天候下でも安定して捉えることができる。約40mのエリアを検出することができ、例えば交差点の監視センサとして利用すれば、クルマの影に隠れた歩行者や自転車の検出ができ、衝突防止などに役立てることができる(、パナソニックリリースより)。5月7~9日開催の「Vehicular Technology Conference 2012」(主催:IEEE、横浜市)で展示する。

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 レーダ反射光が微弱な歩行者を高分解能で検出できるようにしたのが特徴。反射光の検出にかかる独自の高感度化技術と、反射光を高分解能で検出する技術により実現した。

 前者は、対象物にパルス波を照射するパルスレーダ方式に、独自のデジタル符号化技術を用いた変調方式を適用した。対象物からの反射パルス(反射光)の検出信号とノイズとのレベル比を40dB以上確保しており、レーザ反射率がクルマの1万分の1と微弱な歩行者の検出を可能にした。
 従来は、クルマの近くにいる歩行者からの反射光は、クルマからのそれに埋もれて検出できなかったが、このような高感度な検出を可能にすることでクルマと歩行者の同時検出が行える。また夜間や、雨や雪などの悪天候下でも安定した検出が行える。

 後者は、レーダ波の電波を特定方向のみに集中して放射技術(=送信ビームフォーミング)と、反射光の到来角の推定技術を連動させた。対象物の位置を特定するためには距離と方位の検出が必要とされ、レーダを水平方向に走査し、反射光を検出した際の走査角による求める方法がある。ただし、高分解能を得るためには細いレーダのビームを形成する必要があり、アンテナが大型化してしまう。
 特定方向のみに集中してビームを飛ばすことで検出範囲外からの反射光の到来を防止しつつ、到来角の推定技術を組み合わせることで、距離分解能50cm以下と角度分解能5度を実現した。これにより小型アンテナの使用を可能にしており、それによる走査ながら、クルマと歩行者および自転車を分離しての検出を可能にしている。

 なお、発表したミリ波レーダ技術は、2011年度実施の「79GHz帯レーダーシステムの高度化に関する研究開発」(総務省)で開発した。


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 コグネックスは、カメラや画像処理プロセッサなどを一体化した画像処理システム「In-Sight EZ-700」シリーズ(写真)の発売を開始した。三菱電機製FA機器との親和性を高めており、すべての同社製PLC(Programmable Logic Controller)に対応した。また、IP67対応の防塵・防滴仕様としており、切削油や冷却水の飛散を受けるような過酷環境下でも使用することができる。価格は28万8,750円から。初年度2,000台の販売を目指す。

cognex_0426.jpg 三菱電機製FA機器との連携を可能にした画像処理システムの第3弾。同社製PLCに書き込みや読み込みを行うための「MCプロトコル」により、ラダーレスで接続できるなど親和性を高めた。
 付属のレンズカバーの装着によりIP67対応となるほか、外部照明の接続用インターフェースもIP67に準拠しており、IP67照明と組み合わせて使用することで切削油や冷却水、粉塵や油が飛散するような過酷環境下でも使用することができる。また、外部照明の制御を内蔵するため、追加照明の設置が容易に行える。

  同社のサーチツール「PatMax」と文字認識・照合ツール「OCRMax」を標準搭載しており、認識対象が変化したり一部が欠けていたりしても、これらの変化を認識して探索することが可能。安定した文字の切り出しも行えるため、バーコードや二次元バーコードの読み取りが行える。
 48万画素と高画素モデルの最大130万画素を用意しており、前者は毎秒102枚、後者は同60枚と高速での画像の取り込みを可能にしている。


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 筑波大学 産学リエゾン共同研究センターの相部範之研究員らの研究チームは24日、顧客ニーズに応じて自由に組み合わせられるオーダーメイド型の電子回路基板を開発した。FPGA(Field Programmable Gate Array)を中心にした数10種類のメイン基板と、各種I/Oを実装するサブ基板を組み合わせることで任意に開発することができる()。併せて、基板の追加工ができる独自の基板製造装置も開発した。従来のように試作基板をゼロベースで設計・製造するのと比較して、価格を1/4~1/10に低減できるうえ、開発期間も1/10~1/100に短縮することができる。5月から、研究成果をもとに設立した大学発ベンチャー・SUSUBOXにて受託生産を開始する。画像処理基板やセンサ基板などの製作を数十万円から受け付ける。5年後には売上高1億2,000万円を目指す。

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 モジュール化したKariomon System。数十種類のモジュール基板群からメイン基板とサブ基板を選択し、任意に組み合わせて目的とする基板を構築する

 「Kariomon System(カリオモンシステム)」と名付けた、数十種類の基板をシステム化した()。FPGAやMPUを搭載したメイン基板と、各種I/Oを実装したサブ基板から構成され、これらを組み合わせることで様々なI/Oインターフェースを搭載する回路が構成できる。
 科学技術振興機構(JST)の「若手研究者ベンチャー創出推進事業」にて、各メーカーの電子回路へのニーズ調査を実施し、それにもとづく要求仕様を満足する基板をあらかじめ製造しておくことで、このようなシステム化が可能になった。独自の配線構造により機能が異なる数十種類の基板同士の接続を可能にしており、その組み合わせは数万通りに上る。これにより顧客ニーズに即した基板の低コストかつ短期間での開発を可能になる。

 併せて、追加工にも対応する基板製造装置も開発した。おもに切削型基板製造機による追加工とそのための特殊基板、レーザ加工によるレジスト除去、レーザ加工による樹脂フィルムハンダマスク、レーザ加工によるオンデマンド部品トレイから構成。Kariomon Systemのみでは困難な顧客ニーズへの対応を可能にする。

 従来の基板開発では、セロベース設計・製造を行うため、数カ月単位での開発期間と数十万~数百万円規模の開発コストを要した。Kariomon Systemと基板製造装置を活用することにより従来の1/4~1/10のコストで、1/10~1/100の期間で開発できるとしている。

  SUSUBOXでは、Kariomon Systemを用いた受託開発サービスから展開。基板ベースで月産1,000枚程度まで対応する。FPGAを用いた画像処理基板や各種センサ基板などの開発を数十万円程度でできるとしており、5年後には売上高1億2,000万円を目指す。
 JSTの事業では「パーソナライズド・ガジェットの開発/販売支援の事業化に関する研究」として取り組んだ。研究開発期間は2009~2012年。
 

 日本メクトロンは、4月18日、19日開催の「MEDTEC Japan 2012」で東京大学の國吉康夫教授らと共同開発している、皮膚の変形に追従可能な触覚センサグローブと実装例(写真)を公開した。枝状に成形したフレキシブルプリント配線板(FPC)上に複数のセンサ素子を配置し、皮膚のシワに沿って配列しているため手指の運動を妨げることがない。また、シート状に成形されているため、グローブを装着した際でも、それを通して対象物の触感が得られる。東大などでは、同グローブを活用して人の物体の操作を計測・解析し、ロボットハンドに適用可能な触覚フィードバックの実現につなげる計画。

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  手のひらの皮膚の変形に追従できるよう、枝状に形成したフレキシブルプリント配線板上にセンサ素子をシート状(センサシート)に配置したのが特徴。手指を覆うように伸びた各枝には複数のセンサ素子を直列的に配置しており、また、皮膚のシワに沿って各枝を配列しているため皮膚の収縮を妨げることがない。

 手指の可動性を考慮して、指に配置するセンサシートと手のひらに配置するそれとで別々に設計をしている。各指に配置するセンサシートは、各枝を指の関節軸に平行に配置した櫛歯状の構造としている。一方、手のひらに配置するセンサシートは、手相に沿って手のひらを4つのエリアに分割し、生命線や頭脳線などに沿って各エリアに10本ずつの枝が延びた配置としている。指に配置した枝は1mm幅で、手のひらは1.5mm幅でそれぞれ設計しており、各センサシートには32個以上のセンサ素子を配置している。センサ素子のサイズは、0.35mm×1.10mm。
 このような設計となっているため十分なセンシング領域が確保されるうえ、手指の運動の妨げにならない。また、グローブを通して対象物や外界の触覚を感じることができる。

 日本メクトロンでは、センサ素子の柔軟かつ高密度実装の一例として公開したとしており、そのほか関節の動きに追従可能な「ストレッチャブルFPC」や、液晶ポリマーにより立体的に成形した、柔軟なフレキシブル配線板として「3D形成FPC」を参考出展した。
 公開した触覚センサグローブについては、圧力分布をもとに剪断応力(滑り方向)を推定することで対象物の確実な把持に使えるとしている。同グローブの開発には、産業技術総合研究所の長久保晶彦根氏も協力している。


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