ビジネス/経営

2014.08.05
NEC、無人飛行ロボで民間用参入、インフラ点検に応用

 NECは、民間向け無人飛行ロボットの事業化に乗り出す。防衛省向けに開発・納入実績があり、培ってきた技術を民間向けに応用する。無人飛行ロボットの需要は米国を中心に増加傾向にある。同社は日本でも老朽化対策が課題のインフラの点検や災害調査、農業、プラントメンテナンスなどの分野で需要が見込めると判断。開発を加速する。インフラ点検用は2019年までに試作機を完成し、早期の事業化を目指す。
 
 
nec_0805.jpg
 NECが民間向け無人飛行ロボット(写真)の開発に着手したのは、2011年3月の東日本大震災がきっかけ。津波など大規模災害後の現地調査に活用するため、千葉大学が開発したマルチロータヘリコプターと同社のカメラや赤外線センサを組み合わせ、調査システムとして構築した。現在は同システムを改良したインフラ点検用と、情報のリアルタイム伝送が可能な災害調査用を開発中。10月から始まる国土交通省の「次世代社会インフラ用ロボット実証事業」に参加を予定している。
 
 
 同社はこのほか農業用やプラント監視用でも需要を見込む。農業従事者の高齢化が進む中、従来の農薬散布用途だけでなく農作物の育成状況調査や鳥獣害の防止にも無人飛行ロボットの活用が期待されている。産業用のプラントについても同ロボットを使って監視点検の作業を効率化する取り組みが進められている。
 
 
 米国ではAmazon社が無人飛行ロボットを使った商品の配送を計画するほか、Google社が同ロボット関連のベンチャー・Titan Aerospace(タイタンエアロスペース) を買収。iRobot社の創業者の1人であるHelen Grainer(ヘレン・グレイナー)氏が無人飛行ロボットベンチャー・CYPHY WORKS(サイファイ・ワークス)社を立ち上げるなど、関連したビジネス拡大の機運が高まっている。
 日本でも千葉大学発ベンチャー・自律制御システム研究所が、今秋から無人飛行ロボットの量産をスタートする予定。大手の事業参入が実現すれば、市場拡大はさらに加速しそうだ。
 
 
 
【関連記事】



好評連載がついに書籍化!


―東大研究者が描く未来―


国内外の事業例を解説


消費者が描く未来生活を紹介