公共/フロンティア

2013.08.26
早大、林業向け搬送用途に山の斜面を自在に移動するロボット開発

 早稲田大学の白井裕子准教授らは、アームの先に搭載したツメを引っかけながら、山の斜面を移動するロボットを開発した。ツメの力により斜面が急な日本の山でも移動可能。登坂角度は最大で約40度。道が整備されていない林地を走行し、林業に使う作業機器や作業者の荷物の搬送などへの応用が期待される。今後は積載できる重量を増やし、応用可能性の検討や実用可能な機構・構造への転換といった改良を進める。

waseda_0824.jpg 同大修士1年の遠藤寛士さんが中心となって設計した。開発したロボットは2本のクローラで移動する駆動部と、斜面にツメを引っかけるアーム部分で構成。本体の重量は60kg。平地では60kg、斜面では20~30kgの荷物を運べる。クローラの幅は15cm。幅を広くすることで接地面積を大きくして接地圧を小さくし、山中の軟らかい地面でも機体が沈み込まないようにした。斜面を登る際は3m/min、平らな場所では最大で4km/hの速度で移動できる。

 平地ではジョイスティックを使用し、斜面ではパソコンからの指令でオペレータが操作して移動する。狭所でも方向転換できるよう、その場旋回を可能にする「超信地旋回」機構を取り入れた。将来は機体の傾きや路面条件からオペレータが判断し、平地走行とツメを使った斜面走行をボタン1つで切り替え、どちらもジョイスティックで操作できるようにする。

 現在、山中の道が整備されていない場所での作業は、チェーンソーや燃料といった作業に必要な道具などを人が運んでいるため、負担が大きい。ただ整備されていない場所を移動できる機械は実用化されていない。


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