産業用ロボット

2013.04.29
工作機械メーカー各社、中国でロボ組み合わせ自動化システム提案を強化

 日系工作機械メーカー各社は中国で、産業用ロボットと工作機械を組み合わせた自動化システムの提案を強化する。4月22~27日に中国・北京で開催された工作機械見本市「第13回 中国国際工作機械見本市(CIMT2013)」では、産業用ロボットと工作機械を連係させたデモが披露され、来場者の注目を集めた。人件費が急騰する中国では、省人化が製造業の最大テーマ。各社は日本や欧米で培った自動化ノウハウを持ち込み、中国でのビジネス拡大を目指している。

 牧野フライス製作所は中国で初めて自動化システムを紹介。2台の工作機械とファナックの垂直多関節ロボットを用いてデモをした。牧野フライスの担当者は「これまでも自動工具交換装置や自動パレット交換装置などはあったが、今後はそれに続きロボットの導入が増える」と予測。「工作機械だけでは価格競争になりがち。システム提案ならば適正な利益を確保しやすい。機械からエンジニアリングまで一貫提案できるのも強み」と胸を張る。

 森精機製作所と独ギルデマイスター(DMG)は、中国で初めてロボットによる自動化システムを展示。立型マシニングセンタ(MC)と数値制御(NC)旋盤、不二越の垂直多関節ロボットを組み合わせ、2工程の加工からバリ取り、エアー清掃まで披露した(写真)。森精機の森雅彦社長は「自動化メリットは単なる人件費削減だけでない。加工直後の熱いワーク、削りカスがついた危険なワークもロボットならばすぐにつかんで次工程に移れる。リードタイム圧縮効果は大きい」と強調する。

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 ヤマザキマザックは、今回のCIMTでロボットによる自動化展示の規模を2倍に拡大。搬送ロボットとMC、複合加工機を連結して大型ワーク加工の自動化を披露した。そのほか三菱電機やアマダも自動化装置を使った展示で、現地の自動化ニーズにアピールしていた。

 中国では賃金上昇が加速している。上昇率は年10%前後といわれることが多いが、実際は2極化しており、高い技能を持つ人材の賃金は年数十%の勢いで上昇している。現地の加工メーカーのロボット導入はまだ一般的ではないが、労務コストを抑える手段として注目は急激に高まっている。

 今回のCIMTでは、大連機床集団など中国の大手工作機械メーカーも日本製ロボットを用いて自動化の展示を披露していた。ロボット活用のノウハウは日系企業に一日の長があるが、現地企業もロボットの活用研究を進めており、その優位性が長期に保たれるとは考えにくい。
 自動化システム提案は顧客の囲い込み、利益確保につながる。日系企業は現地企業の先手を打ち、システム提案をさらに広めていく必要がある。

(取材&テキスト作成:日刊工業新聞社 鳥羽田継之)

●「第13回 中国国際工作機械見本市(CIMT2013)」


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