サービスロボット

2013.03.13
日立、自己位置推定機能を強化した1人乗り移動支援ロボット公開

 日立製作所は3月12日、携帯端末で指定した位置に自律走行できる1人乗り移動支援ロボット「ROPITS(ロピッツ)」(動画写真)を開発したと発表した。タブレット端末などの地図上で任意の地点を指定すると 、その位置まで自律走行することが可能。自律的に搭乗者を迎えに行ったり目的地まで移動したりすることができる。また、自己位置推定機能を高度化しており、茨城県つくば市の「モビリティロボット実験特区」での実証実験で、目的地に対し誤差1m以内で到着できたことを確認した。今後、ロボットの自律配送や物品の配送など、様々な移動サービスを想定した応用開発を進める。

hitachi_0313.jpg 日立は、高齢者など交通弱者の近距離移動に向け「日立搭乗型移動支援ロボット」を開発。2011年から同ロボットを用いて、歩道走行などの実証実験を行っている。今回、同ロボットの自己位置推定機能などを高度化することで、携帯端末の地図上から呼び出せる自律送迎機能の搭載を可能にした。

 ROPITSでは、国土地理院の電子地図とReal Time Kinematic GPS(RTK-GPS)などから歩道の標高情報を取得し、搭載センサで得た緯度・経度、標高の情報を同じ座標系に融合することで3次元の環境形状地図を生成(図左)。さらに、複数地図を高精度に融合することで、約18kmに及ぶ特区の歩道地図を作成しており、これを利用することで座標を正確に認識しての自律走行を可能にした。携帯端末で任意の地点を指定するだけで搭乗者を迎えに行ったり、目的地まで移動したりすることができる(図右)。
 日立搭乗型移動支援ロボットでは、車体上部に搭載したDifferential GPS(DGPS)と2台のレーザレンジファインダー(LRF)により自己位置推定をしながらの移動を可能にしていたが、今回、より高精度なGPSの採用と実際の環境形状を再現する地図生成機能などにより、自己位置推定をより高信頼にした。

ropits_fig_0313.PNG

 ROPITSのおもなシステム構成(左)と携帯端末の予約画面(右)

 また、引き続き車体前方にステレオカメラとLRF(ヘリカルスキャンにより3次元計測)を搭載しており(図左)、これらの計測情報を3次元の環境形状地図に融合することで歩行者や障害物に加え、路面の凹凸を検出することが可能。広い場所では速度を維持しながら障害物から離れたり、狭い場所ではその近くを減速して走行したり、さらには、歩行者が接近した場合には自動停止したりするといったスムーズな移動ができる。
 加えて、衝撃吸収のためのアクティブサスペンションと、車輪の上下位置を自在に制御できる駆動装置を搭載しており、安定走行を可能にしている。

 今後、ROPITSを用いた実証実験を継続することで、自律移動技術の高度化ならびに移動支援サービスの向上を図る。今回の開発成果は、5月22~25日開催の「ロボティクス・メカトロニクス講演会2013 in Tsukuba(ROBOMEC2013)」で、デモを交えて紹介する。


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