※本記事は、日刊工業新聞掲載「つくろう!日本・東日本大震災2年」を引用・転載しました。
日本では東日本大震災を機に災害対応ロボットへの注目が集まったが、それよりも前から実際の現場で活用しているのが米国だ。米国での運用体制や利用場面について、レスキューロボット研究の第一人者で米国電気電子技術者協会(IEEE)フェローでもある、テキサスA&M大学のRobin Murphy(ロビン・マーフィー)教授に聞いた。
―日本で進む災害対応ロボット開発の現状をどう見ていますか?
「日本がロボット研究のリーダーであることは間違いない。ただし、原子力発電所などの現場で使うのとは別だ。どう使っていくかは他の側面がある。(東京電力・福島第一原子力発電所事故で)無人移動ロボットは線量率調査に投入されたが、水中探査ロボットが使われていないと聞いて驚いた。原子炉の汚染水の状況や海底の汚染の進行度合いを調べるなど、有効活用できる場面は多い」
―米国で災害対応ロボットはどう運用しているのですか?
「運用に関わる官公庁は多岐にわたる。例えば、フロリダ州は航空型ロボットを持っている。ハリケーンから領土や人を守るためのもので、ハリケーンが来ると人が住んでいる所や、構造物がどこにあるのかを洗い出して避難路や車を走らせる道を調べる。無人飛行ロボットは米連邦航空局(FAA)に加え、州傘下のナショナル・ガード(国家警備隊)といった複数の官公庁が管轄する」
「炭鉱の安全確保に使われる地上ロボットもナショナル・ガードが管轄しており、使う時は軍に要請する。飛行ロボも地上ロボも、必要があれば軍に要請して他の都市へ振り分けられる」
―災害対応ロボの実用化や運用に必要なことは何でしょうか?
「ロボットが研究室から一歩も出ないのは好ましくない。ユーザーと共同で切磋琢磨することが実用化の近道だ。できたロボットは第一線で使う人たちが持つのが一番よい。その上のレベルで、様々なロボットを統括する組織が必要だ」
「人間と協調しながら生きるのが、これからのロボットのトレンド。『ロボット=人』という扱いで、一緒に働く存在になるだろう。何らかの作業を支援するロボットや、コスト削減のために使うロボット、できないことをしてもらうロボットなど、ロボットにもいろいろな種類がある。うまく使うことが大切だ」
(取材&テキスト作成:日刊工業新聞社 政年佐貴恵)
【関連記事】
►京大の松野教授ら、23日から南三陸町で水中ロボによる探索活動を開始 (2011/10/19)
►JST、東日本大震災に関連する研究を支援、IRSの水中ロボ探査など採択 (2011/06/16)
►IRSなど、水中ロボによる探索活動を報告、行方不明者の発見には至らず (2011/04/25)
►【第3報】IRSと米国の合同チーム、19日から水中ロボで行方不明者を探索 (2011/04/17)


ビジネスライン














