ビジネス/経営

2013.03.29
GRX社、生活支援ロボットソリューション事業にも注力

 4月から大阪工業大学の客員教授に就く本田幸夫氏(前パナソニック ロボット事業推進センター所長)は28日、関西経済連合会など主催の特別フォーラムで講演し、このほど代表取締役に就任したゼネラルロボティックス(GRX)社の事業を、生活支援ロボットソリューション事業にも注力する考えを示した。医療・介護現場の実務を担うコメディカル(医師や看護師以外の医療従事者)の業務改善に向け、ロボットのほか、RT(Robot Technology)要素部品やICTを組み合わせたソリューションを提案する。提案に先がけて業務診断コンサルなども行う。すでに複数のロボット関連企業と交渉を進めており、これからロボットやRT要素部品などを供給してもらう計画。“オールジャパン”でソリューションを提供できる体制を目指す()。これに伴い、社名をGRXから「aRbot(アルボット)」へと社名変更を済ませている。

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図 2012年10月開催の「JAPAN Robot Week」で産総研が明らかにした事業化支援法人(生活支援ロボットサービス社、当時はロボットサービスイニシアティブ社)の構想に上書きされるかたちでオールジャパン体制でのソリューション提案が示された。

 本田氏は、パナソニック在席時に「生活支援ロボットソリューション事業」を構築した。顧客とともにイノベーションを興すビジネスモデルを特徴としており、「ロボットオープンラボ」(すでに廃止)でのソリューションの見える化を起点に、業務診断コンサル、ソリューションの企画・提案、教育や研修を伴うロボットの適用というサイクルを展開することで、松下記念病院の業務改善などで実績を上げてきた。GRXでも同様の取り組みを展開することを計画する。

 ただし、GRXではロボット開発は行わず、必要なロボットやRT要素部品などは外部から調達し、顧客ニーズに即してシステムインテグレートをしたり、カスタマイズやローカライズをしたりして提供する。
 講演では、一例として理研-東海ゴム人間共存ロボット連携センターが開発した柔軟センサ「SRセンサ」などの利用を検討していることを明かした。同センターでは、静電容量を利用した「C型」と電気抵抗を利用した「R型」の2種類を開発しており、C型は柔軟性と導電性を備えるゴム電極を、印刷製法により積層した2枚のゴムシートで誘電層を挟んだサンドイッチ構造となっており、大面積化が容易で、かつ安価に生産できる点に特徴がある。理研-東海ゴムでは床ずれ防止マットレスなどを提案しているが、例えば、これにアプライドビジョンのステレオカメラを組み合わせることで、ベッドからの転倒の予測など、転倒防止に役立てる案を示した。ただし当面は、コメディカル間の申し送りの支援や、業務診断のための行動分析などICTよりの提案になる見込みという。

 なお、本田氏は併行して、淀川キリスト教病院(YCH)跡地に「YCHオープンイノベーションセンター」を設置することを計画している。YCHのほか、大阪大学大学院 医学系研究科の澤芳樹教授らと共同で取り組んでおり、また、2月には「関西イノベーション国際戦略総合特区」において追加区域指定を受け、大阪府および大阪市から支援を受けることになっている。引き続き、コアメンバーとして設立に携わるとするが、YCHと阪大が主体となる見込みで、4月以降に事業計画の検討に入り、早ければ秋以降に設立に向けて動き出すという。模擬病院や模擬介護施設、教育研修施設を設置して、医療・介護ロボットの各種検証を行うほか、ユーザー向けの教育研修を提供したり、ユーザーがロボットなどを体感したりできるなど社会実証が行える空間とする(詳細はこちら)。


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PART1 ロボット産業の出口論を考えよう!
― 「社会実装部門」に込めた願い

PART2 解説!「病院まるごと」ソリューションビジネス
―“パナソニック流”ロボットのサービス実装

PART3 ロボットの社会実装・事業化支援への挑戦!
―YCHイノベーションセンターほか




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