公共/フロンティア

2013.02.01
東電、4足歩行ロボの対応策を公開、2月下旬のベント管の調査に備える

 東京電力は1月31日、原子炉建屋地下のベント管下部の調査で使用している東芝の4足歩行ロボットの不具合状況を明らかにした。昨年12月11日に格納容器と圧力抑制室をつなぐ計8本のベント管のうち1本を調査し、翌日には2本目を調査する予定だったが、階段を登る際にロボットが後方に体勢を崩し、動作不能となったことから調査を中断した。グレーチング(鋼材を格子状に組んだ溝蓋)のすき間に足先が拘束され、歪みが生じたためと推定しており、制御ソフトの改善に加え、グレーチング上に鉄板を敷設することで、2月下旬にも調査を再開する(動画図1)。2013年度にはより線量の高い3号機原子炉建屋への適用を計画する。

動画 2012年12月10日に実施したモックアップ試験の様子(東京電力提供)

 「4足歩行ロボット技術ワーキンググループ(WG)」での検討内容を公開した。4足歩行ロボットの不具合を受け、「遠隔技術タスクフォース」内に設置。ロボットが汚染しており、工場への搬出が困難なことから、現地で対応可能な対策を検討している。

 明らかにされた不具合は、ロボットの後方への転倒のほか、アームの過旋回(図2)と有線ケーブル巻き取り装置の制御不能(図3)の3つ。
 4足歩行ロボットは、有線ケーブルで接続した小型走行車により詳細な調査を行うシステム構成となっており、ロボットが圧力抑制室上部の走行路面(キャットウォーク)を移動し、アームにより小型走行車をトーラス表面に配置する。過旋回は12月18日に、巻き取り装置の制御不能は21日に発生し、小型走行車の回収が困難になったことからこれを切り離し、ロボットのみをトーラス室内の三角コーナーに帰還させたままとなっている。

  アームの過旋回については、旋回原点を検出するセンサドグ(遮蔽板:光電センサの検出ビームを遮蔽することで可動体の位置を検出する)が何らかの外力により反り、光電センサとの間にすき間が生じたためと推定。センサを撤去するとともに、アームの初期位置を旋回原点として認識させることを検討している。
 また、巻き取り装置の制御不能は、ケーブルが圧力抑制室上の障害物と接触し、小型走行車の駆動力で引き出せなくなったためと推定。アーム先端にケーブル送り機構を追加するほか、巻き取りの状態を監視するためのカメラの設置を検討している。

 同WGの開催は、すでに2回行っており、2月15日に第3回を開く予定。モックアップ試験の結果などを検討することになっており、2月下旬に予定するベント管下部の調査時期を決定する。

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図1 4足歩行ロボットの後方への転倒現象(東京電力提供)

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図2 アームの過旋回の現象(同)

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図3  ケーブル巻き取り装置の制御不能(同)


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