サービスロボット

2013.02.26
NEC、SNSで対話がはずむ話題を提供するコミュニケーション活性化技術開発

 NECは25日、SNS(Social Networking Service)で、話が弾むような特定テーマを抽出して話題提供するコミュニケーション活性化技術を開発したと発表した。SNSの投稿内容や閲覧履歴、友人関係などからユーザーの興味や関心事を高精度に推定することで最適な話題を提供。SNSを活性化することができる。地域住民の社会参加の活性や、企業における従業員同士の意思疎通の促進につながると期待される。また現在、東日本大震災で被災した仙台市の仮設住宅で実証実験を行っており、地域SNSでの実用化も検討する。

  SNSの閲覧履歴と友人関係からユーザーの興味を推定し、複数ユーザーが対話しやすい話題を提供する「話題推薦技術」(図2)と、過去のコメントや閲覧履歴から他のユーザーとの関係性を推定して紹介する「友人推薦技術」を組み合わせた(図3)。
 平均年齢60.1歳の20人(男性7名、女性13名)を対象にした評価実験では、同技術の採用によりコミュニケーション量が2.1倍に増加したうえ、適切な友人推薦により友人登録も3.1倍に増加した(図4)。

 従来は、話題推薦では閲覧履歴にもとづいて類似の話題推薦(コンテンツベース推薦)をするため、各ユーザーの嗜好に合致するものの対話相手の嗜好に合致しなかったり、類似ユーザーが評価を済ませた話題を推薦するため、新着の話題に対応できなかったりする問題があった(図1)。また、友人推薦では単に友人の友人が推薦されるため、実世界以上に広い友人関係を構築するに至らなかった(図3)。

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 図1(左):従来の話題推薦技術。図2(右):話題推薦技術の特徴(NEC発表資料より)

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図3(左):友人推薦技術の差異。図4(右):ユーザー評価実験の結果(NEC発表資料より)

 同社は現在、東北学院大学などと共同で、仙台市・あすと長町の仮設住宅の約40人を対象に実証実験を行っている。スマートフォンやタブレット端末を貸し出し、配信された自治会からのお知らせをもとに意見交換をしたり、外出や就寝などの情報を入力することで、自治会の見守り担当員と情報を共有したりしている(図5図6)。
 また、「TPO(Time、Place、Occasion)」ボタンを用意しており、参加者の興味に合致する地域の催しなどを提供するサービスも付加している。参加者の閲覧履歴から学習したコンテンツの適性と、行動から推定される属性にもとづいて状況に対応した情報提供パターンを生成する「シナリオ構築技術」などで構築した。

 今後、実証実験の成果をもとに、高齢化社会における持続的なコミュニティの活性化や地域の見守りなどに役立てる。実証実験は2月末までの予定だが、一部サービスを除き、継続的に利用されるという。

  なお、実証実験では高齢者でも操作できるよう、コミュニケーションロボット「PaPeRo(パペロ)」を併せて貸し出し、音声ガイドによりスマホやタブレット端末の操作を支援している。総務省の「ライフサポート型ロボット技術に関する研究開発」(2009~2012年度)の成果物を利用しており、ユビキタス・ネットワークロボット・プラットフォームに対応するかたちでシステムを構築している。

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図5(左):あすと長町仮設住宅でのサービス概要。図6(右):コミュニケーションの活性化のイメージ。お知らせにコメントをしたり、他の参加者のコメントを参照したりできる。


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