公共/フロンティア

2013.02.19
日立、ロボ活用の調査モニタリングシステム開発、ネットワークロボ技術を応用

 日立製作所は18日、人がすぐに立ち入ることが困難な災害現場などで、現場の状況を把握するための「調査モニタリングシステム」を開発したと発表した。「ユビキタスネットワークロボット」の成果物である「空間台帳」を利用しており、3台の遠隔操作ロボットで得たセンサ情報を空間台帳に反映することで状況マップを作成することができる(図1図2)。災害現場の状況を詳細に把握することができ、復旧に向けた作業計画の立案やロボットによる復旧作業に役立てられる。東京電力・福島第一原子力発電所など、災害現場の復旧支援として活用する計画。関係機関や電力会社と協力して現場での実証実験を提案したり、オペレータの訓練を進めたりしていく。

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図1(左):操作コンソールの画面、図2(右):空間台帳の画面

  多地点で複数ロボットがネットワークを介して連携するユビキタスネットワークロボットの研究開発「ライフサポート型ロボット技術に関する研究開発」(総務省)と、平成23年度第三次補正予算「災害対応無人化システム研究開発プロジェクト」(NEDO)の成果を活用した。
 空間台帳は、ロボットが動作する空間の状態を定義することができ、床面の特性(形状や材質、傾斜、段差など)やエリア内の構造(棚や机、障害物など)、エリア間の構造(開口部、ドアなど)、場所に紐付けられた様々な情報を管理し、マップ化できる。ロボットがサービス提供する場所の地図情報を定義する目的で開発したが、災害現場の状況把握に応用した。

 開発システムでは、現場の図面など2次元マップの情報をもとに、VHF帯の無線で3台の遠隔操作ロボットを操作。各ロボットのセンサ情報を空間台帳に反映することで災害現場の状態マップを作成していく。具体的には、3台のロボットそれぞれの位置情報からロボットと障害物との位置関係を操作コンソールのマップ画面に表示する。
 VHF帯は、障害物に対して回り込むなど電波伝播特性が広範で、安定性が高い。加えて、ロボットも相互に無線中継を可能とすることで、個別のロボットでは到達できないエリアでも調査を可能にした。

 モニタリング・ロボット・システムは、日立GEニュークリア・エナジーが調達。トピー工業のクローラモジュールを用いている(図3)。また、モニタリング・ロボット・システムは、日立のワイヤレスインフォ統括本部で開発した、VHF帯で遠隔操作するための無線通信モジュールを搭載している。

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図3 調査用小型ロボット(左)とマルチ機能搭載ロボット


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