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2013.01.17
ロボットコンサル小西の「超・思考法」最終回掲載、ロボット開発の新潮流

※本コラムの詳細は、末尾の「続きはこちら」をクリックして下さい。

新たな潮流 ~大手の技術を使って中小が製品化~

 今回、電動歩行アシストカー「KeePace(キーパス)」の開発を手がけたのは村田製作所です。大手上場企業とはいえ、あくまで電子部品メーカーであり、KeePaceのような介護福祉機器を開発しても、ターゲットとなる顧客に向けた流通・販売ルートを持っていません。ゆえに、福祉用具の総合メーカーである幸和製作所と組んだことは、事業を推進するうえでたいへん重要といえます。加えて、幸和製作所は、シルバーカーのメーカーとして約50%という高いシェアを有しているので当然、介護福祉機器に求められる機能などについて、様々な知見を持っていることでしょう。

 ただ、このように「大手上場企業が持つ技術を活用して中小企業が製品化する」という事業展開は、サービスロボットの市場化においてはきわめてまれです。過去に見られた、電機メーカーに代表される大手上場企業によるロボット事業では自社の販売ルート、もしくは大手商社を通じて市場投入を行うのが通例でした。村田製作所と幸和製作所の両社の取り組みは新たな試みといえるものであり、今後の展開に期待を寄せています。

 業界はまったく異なっていても、また会社の規模に差異があったとしても、お互いの強みが明確であり、その強みが相手の弱みを補填できるのであれば、製品の実用化においてはベストなコンソーシアムを形成できます。また、お互いの役割分担もおのずと決まるので、上市に向けスピードアップを図ることもできるでしょう。
 筆者は、このKeePaceの開発により「“餅は餅屋”の考えにもとづく、異業種コラボによる新たな価値創出」は、今後のサービスロボット事業化に向けて重要な視点になると捉えています。

KeePace実用化の課題

 ただし、2012年9月に発表されたKeePaceは試作段階であり今後、量産に向けて様々な観点からつくり込むことが求められています。上市に向けた課題について、筆者が用いる3つのデザイン階層()に即して考察します(詳細は「15回コラム」参照)。

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 ロボットビジネスのキモとなる3つのデザイン階層

【1】ビジネスデザイン ―ターゲットの明確化を

 筆者のプロデュース業務では、アイデアコンセプトシートを作成しますが、製品の利用シーンをもっと限定する必要があると思います。
 「第29回コラム」でも書きましたが「まったくその行為をできない人ができるようになる製品なのか?」「時間をかければ何とかその行為ができる人が、より効率的にその行為ができるようにサポートする製品なのか?」により、開発コンセプトを含むビジネスデザインは変化します。

 KeePaceでいえば「杖なしではまったく歩行できない人でも長時間外出できますよ」という製品なのか?「少し膝の具合が悪いので長時間の歩行は辛い(家の中を移動するのは問題ない)人でも、長時間の歩行での外出が可能になりますよ」という製品なのか? この2つの設定だけでも、製品の開発コンセプト(3要素「ベネフィット」「シーン」「ターゲット」)は大きく異なります。さらに、安全性確保に取り組む前段で立てる安全コンセプトも変化します。そうすると、おのずと、3ステップメソッドによるリスクアセスメント(RA)の内容も大きく変化し、リスクの低減方策も異なることは明らかです。

(続きはこちら「最終回 介護支援ロボの現状と課題 ―電動歩行アシストカーを例に (後編)」から)
 




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