RT(Robot Technology)要素

2012.12.04
日本電波工業、広いダイナミックレンジの水晶センサモジュール開発

 日本電波工業は3日、センサ素子に水晶を用いて、微小なレベルの重力や加速度、傾斜、変位といった物理量の変化を、周波数により検出する水晶センサモジュール(写真)を開発したと発表した。加速度の場合、検出範囲の上限が±50kGal、分解能の下限は1mGalと、従来のMEMSセンサと比較して、上限値および下限値ともに1桁広いダナミックレンジで検出できる。サンプル価格は、温度補償付きモジュールが1セットで15万円。機械や車両のバランス調整や速度検出、人工触覚、地震計測や資源探査、構造物の震動計測のほか、自立型無人機械などの分野に向け提案する。

ndk_1204.PNG 水晶は他のセンサ素材に比べて弾力性が高い(例えばSiの約1,600倍)ため耐衝撃性に優れるうえ、検出範囲が広いといった特徴を有する。一方で、他の物質に比して電気機械結合係数が少なく、センサとして利用するには素子としての高い安定性に加え、微細加工製造技術や、検出信号としての周波数安定化技術などが求められる。水晶デバイス総合メーカーならではのノウハウを駆使して開発した。

 開発したモジュールの構造は、微小な変化を検出するためセンサ素子を片持ち梁形状とした。また、自由端に設けた電極と向かいの電極間の距離の変化を静電容量の変化に変換させ、さらに周波数に変換する仕組みを採用した。素材には最高グレードの人工水晶を使用し、温度変化による周波数変化が最も少ないATカット型の水晶振動子を採用した。

 サイズは、温度補償用の恒温槽を付加した状態で、最大W100mm×D100mm×H75mm。重量は550g。検出データをそのまま無線伝送することができ、電圧から周波数に変換する装置が不要となるため、センサ単体としてのコストダウンに加え、これを搭載した測定および探査システムとしてもコストダウンが図れるとしている。


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