行政・施策

2012.11.23
経産省と厚労省、介護ロボ開発の重点分野を策定、移乗介助や移乗支援など

 経済産業省と厚生労働省は22日、ロボット技術の介護現場への利用に向け、重点分野を策定したと発表した。移乗介助や移動支援など4分野5項目。今後、経産省は新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と共同で、これら重点分野に向けた機器開発に意思のある企業を募り、関係機関を交えたコンソーシアムを結成して、介護現場のニーズに応える介護福祉ロボットの実用化を目指す。経産省では、2013年度予算の概算要求に「ロボット介護機器開発・導入促進事業」として、計32億円の経費を盛り込んでいる。

 7月に閣議決定された「ライフ成長戦略」の工程表に即して発表した。2012年度までの実施項目として重点分野の特定が示されている()。
 厚労省が取りまとめた「福祉用具・介護ロボット実用化支援事業報告書」(2012年3月)の調査結果や、介護現場でのロボットの利用に関する先行調査結果を踏まえ、ロボット技術の利用が合理的と判断される分野をあげた。ただし、医療機器としての開発が適当と判断されるものは対象外としている。

 重点分野は、「(1)移乗介助」「(2)移動支援」「(3)排泄支援」「(4)認知症の見守り」の4つ。(1)では、介助者のパワーアシストを行う装着型機器と、介助者の抱き抱え動作のパワーアシストを行う非装着型の機器を、(2)では高齢者の外出時に荷物の安全な運搬を支援する歩行支援機器を、(3)では排泄物処理に向け、ロボット技術を利用した設置位置の調整可能なトイレを、(4)ではセンサや通信機能を搭載した、ロボット技術を利用した機器のプラットーフォームを、それぞれ重点項目にあげている。

  継続的に調査を行う分野として、「日常生活支援」「認知症高齢者支援」「介護施設の業務支援」「予防・健康維持」をあげており、例えば日常生活支援では、おむつの交換や清拭などの排泄支援や入浴支援などをあげている。

  ライフ成長戦略では、重点施策としてロボット技術による介護現場の負担軽減や、新産業の創出ならびに周辺サービスの拡大をあげており、生活支援ロボットの実用化などにより、2020年度までに1.7兆円の経済効果と3万人の新規雇用を目指すとしている。さらには、健康関連サービス産業において、25兆円の市場規模と80万人の新規雇用を目標に掲げている。

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 ライフ成長戦略で示された「高齢者・障がい者や介護現場のニーズに応えるロボット等」

●「ロボット技術の介護利用における重点分野を策定しました(経済産業省)
●「ロボット技術による介護現場への貢献や新産業創出/医療・介護等周辺サービスの拡大(日本再生戦略)


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