RT(Robot Technology)要素応用

2012.11.22
DNPと東大・石川研、1分間に250ページを処理するブックスキャナー開発

※2012年11月20日掲載記事の動画を最新のものに差し換えました。

 大日本印刷(DNP)は、東京大学の石川正俊教授と渡辺義浩助教の研究チームと共同で、本をパラパラめくるだけで紙面を画像データとして保存できるブックスキャナー(写真左)を開発した。書籍を冊子体のまま1分間に250ページの速さで画像データ化できるのが特徴。石川教授らが保有する超高速3次元認識技術や歪み補正技術(写真右)により実現した。図書館所蔵などの書籍電子化サービス向けに2013年度中の実用化を目指す。また、ブックスキャナーの外販も検討する。

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 超高速の3次元状態認識技術と歪み補正アルゴリズム、機械による高速ページめくり装置の導入により高速スキャンを可能にした。
  ページの認識は、ページをめくる際の紙面の3次元形状を1秒間に500回の速度で捉え、もっとも高品質に捉えた瞬間を、独自アルゴリズムにもとづいてリアルタイムに識別。これを高精細カメラで撮像することで画像データ化する。同時に、歪み補正技術により、取得した3次元形状と撮像した画像から紙面が変形する前の平面状の書籍画像に復元することで、冊子体のままでの高速スキャンを可能にした(動画)。1インチ当たり400万画素の解像度を達成しており、電子書籍で利用することができる。

  高速ページめくり装置は、撮像の妨げとならない設計としており、冊子体のままで1分間に250ページの高速スキャンを可能にした。めくる動作には、書籍を開いた際に各ページが湾曲した状態から元に戻ろうとする弾性力と送風を利用しており、1ページずつ非接触でのめくりを可能にしている。「ぺーじめくりアーム」により書籍端面を押さえつつ1枚ずつ解放し、弾性力により起きがったページを、送風により左側へとめくる。250ページの書籍であれば、わずか1分間で電子化することができる。
 歪み補正技術については、試作機では演算処理装置がフルスペックではないため、補正のスピードは1分当たり120ページにとどまるが、フル仕様では、補正処理の効率化と並列化により1分当たり250ページの補正が行えるとしている。


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