産業用ロボット

2012.10.05
三菱電機、スマホケース加工で知能化技術を公開、距離画像センサは年内発売

 三菱電機は、10月2~6日開催の「CEATEC JAPAN 2012」で、スマートフォンのケース加工を行うロボットセル(ロボットによるセル生産システム)を公開した。同社の産業用ロボット「Fシリーズ」に実装した知能化機能を活用しており、距離画像センサによりバラ積みケースを認識してのピッキングや、力覚センサとの組み合わせによる一定での力制御が行える様子を披露した(動画写真)。力覚センサは、専用のインターフェースユニットなどのセットで60万円台の価格で提供を始めているが、距離画像センサについては年内に発売するとしながらも、価格は未定としている。

動画 公開したスマホのケース加工向けロボットセル。知能化技術を活用することで、こうしたロボットセルを構築することができる。

 垂直多関節ロボットにタッピングセンタと磨き機を組み合わせた。まず、距離画像センサによりバラ積みされたスマホケースの位置姿勢を認識してピッキングをし、ロボットの手間の専用機で姿勢変更してタッピングセンタにセットする。次に、タッピングセンタでタップ加工やミーリング加工をした後、磨き機で面取り加工を行い、整列しての払い出しを行う。

mitsubishi-ele_1005.jpg 距離画像センサは、「TOF」(Time of Flight:光飛行時間測距方式)方式により距離画像を取得して3次元認識を行う。ダイナミックレンジの拡大により通常は、認識が困難な黒色部品にも対応する。また力覚センサを組み合わせることで、磨き機に対し一定での押し付け力による面取り加工を可能にした。
 距離画像センサと力覚センサはともに、2006~10年度実施の「戦略的先端ロボット要素技術開発プロジェクト」(NEDO)で開発。力覚制御をはじめとする知能化技術の一部は、2007~11年度実施の「次世代ロボット知能化技術開発プロジェクト」の成果を活用した。

  同社では、これら知能化技術をFシリーズに実装し、力覚センサなどの周辺装置や開発環境とともに提供を始めている。知能化技術には力覚制御のほか、複数ロボットの協調制御や干渉回避機能、多機能ハンド(例えばマルチハンド)による高度なハンドリングなどが含まれており、これらが扱いやすいかたちでパッケージ化されている。同社が導入を進めているサーマルリレーの組立セルや部品供給セルなどは、これら知能化技術を高度に集約したシステムであり、展示したロボットセルはその一例として示した。ただし、スマートフォン向けのセルは現時点ではないとしている。


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