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2012.07.26
パーソナルケアロボの国際安全規格の発行は2013年8~9月で確定

 名古屋大学の山田陽滋教授は、7月25日開催の「サービスロボットの安全性に関するセミナー」(ロボットビジネス推進協議会主催)でパーソナルケアロボットの国際安全規格「ISO 13482」の策定動向に触れ、2012年11月に最終国際規格案(FDIS)として提出され、国際規格(IS)としての発行は2013年8~9月でほぼ確定したと明かした。昨年の秋頃までは2012年末には国際規格として発行される見通しだった。
 通常、ISO規格は新作業項目(NP)の提案の承認から36カ月以内に国際規格の最終案が取りまとめられることになっており、難しい場合は1年間の延長期間、さらに難しい場合は、半年間の猶予期間が自動的に与えられる。ISO 13482におけるNPの承認は2009年2月になされており、期間ぎりぎりでの発行となる。また、日本からの提案として「IEC 60204-1:2005」で規定されている「停止カテゴリ2」の許容を求めていたが、制御停止そのものがISO 13482から除外されたという(動画は制御停止の一例)。

動画 Segwayのセーフティシャットダウンの様子。Segwayでは擬似的にこのモードを起動することができ、認定インストラクターによる教育訓練ではユーザーに体験させている。安全のために片脚を地面に接地した状態でセーフティシャットダウンを起動している。

 ISO 13482は、「ISO/TC184/SC2/WG7(*1)」の国際会議で検討がなされている。ISO規格は通常、(1)NPの提案、(2)作業原案(WD)の作成、(3)委員会原案(CD)の作成、(4)国際規格原案(DIS)の照会および策定、(5)FDISの策定、(6)ISの発行という6つの段階を踏んで国際規格の最終案がまとめられることになっており、2010年6月にDISが作成され、継続的な作成作業を経て、2011年9月にはDISが提出されている。

*1:TCは「Technical Committee(専門委員会)」、SCは「Subcommittee(分科委員会)」、WG「Working Group(作業グループ)」をそれぞれ指し、ISO/TC184は、産業オートメーションシステムとインテグレーションに当たり、TC184/SC2は工業用ロボットに当たる。

 登録されたDISは、TC/SCメンバーに加え、すべてのメンバー国に投票のために5カ月間の回付期間があり、投票したTC/SCメンバーの2/3以上が賛成し、かつ反対が投票総数の1/4以下であれば、FDISとして登録可能となる。昨年の今頃は、2012年2月にはDIS投票でのコメント審議に入り、9月にはFDISを策定し、ここでの2カ月間の投票期間を経て、11月には発行手続きに入る見込みだった。ところが、DIS投票でコメントが800件程度も寄せられたことを受け、DISを修正、再提出することになった。
 2012年7月にDIS(セカンドDIS)を再提出し、9月以降にDISに対するコメントの審議に入る。11月にはFDISを提出し、2カ月間の投票の経た後、2013年4月頃に最終の国際会議を開催し、ISO中央事務局に提出される。ISO内での発行手続き作業などがあるため、ISとしての発行は夏以降の8~9月になる。

  DIS投票では承認の条件をほぼ満たしており、反対票が多かったことが今回の再提出の原因ではない(*2)。新しく発行された産業用ロボットの国際安全規格「ISO 10218-1:2011」でもDISを再提出しており、コメントを適切に処理するためにも、これに倣いDISを修正し、再投票するという判断を下している。

*2:FDISがISとして成立するにはDISと同様、投票したTC/SCメンバーの2/3以上が賛成し、かつ反対が投票総数の1/4以下であればよい。非承認の場合は、修正原案をCDやDIS、FDISに再提出し、その後、技術仕様書(TS)を発行してプロジェクトを取り消すことになる。

  また山田教授は、日本から提案していた制御カテゴリ2の許容にも言及し、制御停止に関する内容が削除されたことを明かした。
 IEC 60204-1:2005では停止カテゴリ0(C0)~2(C2)を規定している。C0は、動力機構への動力供給を遮断することによる停止。C1は動力機構を停止させるための動力供給を維持して機構を停止させ、その後、動力供給を遮断することで停止状態とする制御された停止。C2は、動力機構への動力供給を維持したままで停止状態とする制御された停止である。

 倒立2輪タイプの搭乗型移動ロボットでは、緊急停止により新たな危険を生じる可能性が高いことから、「Segway」が採用すると想定されるC1に加え、C2の許容を提案していた。しかし、ISO 13482で議論している搭乗型移動ロボット(「People carrier robots」)のユーザーならびに使用環境、目的が様々であり、対象となるロボットの規定が難しいことから削除されたという。
 なお、Segwayではシステムでのエラー(制御不能)を検知するとセーフティーシャット(安全停止)へと移行し、完全停止する10秒間に降車するよう促すようにしている(動画)。

サービスロボット安全技術者認定講座 
ISO/DIS 13482 Draft   


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―次世代ロボット分野の国際安全規格策定と関連技術の動向より




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