サービスロボット

2012.07.18
アサンテ、新規開発のシロアリ防除ロボ公開、保守点検・再施工から運用へ

 アサンテは、7月11~13日開催の「第3回 次世代ロボット製造技術展(ROBOTECH)」で4年ぶりに新規開発したシロアリ防除ロボット「ミルボⅣ」を(写真)公開した。同社では当初より、点検時の様子をリアルタイムに見てもらうことで顧客の安心感と信頼感を獲得し、営業効率の向上につなげることを狙っているが、営業段階では地図情報がなく、ロボットを効率的に運用できないうえ点検情報をわかりやすく伝えられないことが課題となっていた。アサンテでは5年間の保証期間を設けており、約60%の確率で再施工(シロアリ防除処理)を行っている。再施工を担う保守点検時には営業や技術スタッフが作成した間取り情報などがあり、ロボットの運用により床下の様子をわかりやすく伝えられることから、既存の顧客に向けた保守点検や再施工で運用する可能性が高いと見られる。

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写真 公開した床下ロボット(左)とモニターと一体型としたコントロールボックス(右)

 公開したミルボⅣは、おもに4輪タイプの床下ロボットとモニター一体型のコントロールボックスから構成。4輪すべてを独立駆動にするとともにロボット中央部にロール軸に動作する可動部を設けることで、起伏のある場所でも安定して走行できるようにした。
  新規に小型ハイビジョンカメラとジャイロセンサを搭載しており、床下ロボットの方向を確認しつつ高解像の映像を見ながらの操作が可能。また、薬剤散布用チューブに電源ケーブルと映像ケーブルを一体化した複合ケーブルを採用することで、床下ロボットの運動性ならびに操作性の向上につなげている。三菱重工グループのMHIソリューションテクノロジーズが開発した。

  アサンテにおけるシロアリ防除サービスは、営業スタッフと技術スタッフ、アフタサービス担当(CS担当)の3部隊により提供している。大きくは、次のようなプロセスで進めている。

(1)営業部隊が一般家庭に訪問し、事業PRや床下点検を勧めることから始まる。興味を持った相手には床下点検を実施し、家屋の状況報告と併せて、改善に必要な処置と費用について詳細な説明を行う。希望があれば見積もりを行う。
(2)契約に至れば、建物構造や被害状況などの詳細を技術スタッフに申し送る。

(3)技術スタッフは、班長とサブの2人1組で訪問し、施工の準備に取りかかる。再度、被害状況や家の間取りなどを確認して営業スタッフから得た情報との誤差を修正し、必要な薬剤散布量を算出する。
(4)木部処理、土壌処理を実施し、玄関や風呂場など床下に潜れない個所は、部屋の中から処理作業を行う。
(5)一連の作業が終了すれば、班長が床下の状況や処理方法などを説明。施工確認書に確認印をもらって作業を終了する。

(6)あとはCS担当が引き継ぎ、保証期間である5年間は施工を実施した前後1カ月に訪問して保守点検を行う。万一被害があれば、その場で再度施工を行う。施工後、計4回訪問する。
(7)最終年となる5年目の点検時に再度、処理の継続を提案。保証期間の満了を迎えて、シロアリ防除サービスは終了する。

 シロアリ防除業界は、一部悪徳業の詐欺行為により、業界全体が好意的に見られているわけではない。そのために成約に至る確率が低く、ひどい場合は数百回もの営業をかけて1件程度の確率ともいわれている。アサンテでは開発当初より床下ロボットと連動した映像通信システムを開発しており、これにより被害状況を顧客や、遠隔地に住む顧客の家族にも映像配信をしたり、本部にいる専門家とやり取りしたりすることで、顧客の安心感と信頼感につなげることを目指している。しかし、営業段階では建物の図面や間取り情報がなく、営業への床下ロボットの適用を難しくしていた。

  住宅メーカーではないアサンテでは自社で地図を作成しており、具体的には、まず営業スタッフが営業時に建物のおおよその図面を描き、その情報を技術スタッフが引き継いで詳細に図面化。CS担当では点検時に増改築の情報を添記するという手順で進めている。
 保証期間中に実施する保守点検や再施工では地図情報があるため、床下ロボットの利用により点検様子をわかりやすく伝えたり、間取り情報とロボットの映像や点検内容を関連づけ、履歴情報として保存したりすることができる。顧客満足度の向上に加え、CS担当の業務効率の改善が見込まれることから、保守点検や再施工から運用を始めると見込まれる。アサンテでは今秋以降に、自社の訓練施設で実証実験を行うとしている。


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