筑波大学と茨城県立医療大学は、教育研究と県内の地域医療を目的とした連携協定を締結した。筑波大発ベンチャーのサイバーダインのロボットスーツ「HAL福祉用」について臨床適用に向けた共同研究の継続・発展や、両大学の特色を生かした地域医療の連携などに取り組む〔写真は、協定書に調印する工藤茨城県立医療大学長(左)と山田筑波大学長(右)〕。
筑波大では、「医療はチーム連携が大事。両大学が協力することで、医学・医療分野で独自性に富んだ成果を出して行ける」(山田信博学長)としており、県立医療大学も「異なる特色のある大学同士、教育・研究・地域医療分野で連携していきたい」(工藤典雄学長)と連携に期待している。
HAL福祉用の医学応用に関しては、国立病院機構 新潟病院の中島孝副院長らが、神経・筋疾患の病気進行の抑制に向けた研究を進めている。
脊椎性筋萎縮症(SMA)や筋萎縮性側索硬化症(ALS)、筋ジストロフィーなどの神経・筋疾患は進行性であり、かつ治療が難しい。中島副院長らはHALが随意制御と自律制御の組み合わせにより、適切なアシスト力を発生する特徴に着目し、HALのアシスト力により筋肉の過度な疲労が軽減され、筋力低下の進行が抑制されるのではという仮設のもと、神経・筋疾患患者が定期的あるいは間欠的にHALを装着したケースでの効果の検証に取り組んでいる。
研究の推進に向け、HAL福祉用をベースに「神経・筋疾患用HAL」を用意。筋肉低下が進行する(変成しつつある)筋肉からの表面筋電位を抽出できるよう、新たな信号処理法を実装。併せて、数十μV程度と微弱な表面筋電位しか得られないことから、特徴的な波形が得られる位置に生体電位センサを配置するという工夫を行っている。
2012年以降は治験に向け、臨床的な評価手法などを定めた臨床プロトコル(*)の作成に取り組むことを、「サイバニクス国際フォーラム2011」で明かしていた。
*:治験担当医が臨床試験における各スタディの実施意義や方法を記述した詳細な計画書。
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