RT(Robot Technology)要素

2012.01.11
タッチエンス、シート状にも成形できる柔軟触覚センサの新版を2月に発売

 タッチエンスは、埋め込み型柔軟触覚センサ「ショッカクキューブ」(写真上動画)の新モデルを開発、2月より発売を開始する。上面に配置していた受光素子を排除しながらも、従来モデルと同様、3次元での変位の検出を実現することで耐久性の向上ならびに薄型化を可能にした。サンプル価格は1個あたり2万円。量産モデルの価格は従来モデルの半額程度(2,000円前後)を予定する。また、温度補償を組み込んだ小型3軸触覚センサ「ショッカクチップ」の開発も進めており、7月開催の「次世代ロボット製造技術展(ROBOTECH))」での出展を予定する。

CLtype.touchence.jpg ショッカクキューブは、柔軟なウレタン素材で埋め込んだ立方体型の触覚センサ。センサそのものが柔軟に変形することで計測するため、圧力の検出を中心とする一般的な触覚センサでは難しい「つねる」「なでる」といった動作を検出することができる。
 従来モデルでは本体底面にLEDを、上面に受光素子を5つ配置し、センサ本体の変位に伴うLED光の変化量(距離の変化)を計測することで3次元方向の変位を捉えていた。新モデルではLEDと受光素子をともに本体底面に配置しており、ウレタン素材の密度変化に伴う受光量の変化を計測することで捉える。最適な配置方法を見出すことで実現した。

  このような構造の変更により薄型化が可能になったうえ、耐久性が大幅に向上した。従来モデルでは大きな荷重が加えられると、LEDと受光素子が接触して破損したり、これらを結ぶケーブルが断線したりする恐れがあった。また製造時に、本体底面のLEDに対して上面に配置する受光素子の位置決め作業が不要となり、品質のより一層の安定化ならびに生産コストの低減も可能になった。

  ウレタン素材に埋め込む素子を複数個配置してシート状に成形することもでき、例えばロボットアームに巻き付けて使用すれば、柔軟性を備えながらもアーム全体を触覚センサとして機能させることもできる。単体での販売にも応じるが、複数個をシート状に成形した状態での販売も計画する。

動画 ショッカクキューブの説明ビデオ

 ショッカクチップは、MEMS技術により2mm角のシリコンチップ上にピエゾ抵抗を3軸方向に配置したセンサ。垂直に立った2軸(XY軸)のカンチレバー形状の歪みセンサと両持ち梁の歪みセンサ(Z軸)により、剪断応力(滑り方向)と圧力の両方を検出することができる()。また、パッケージの素材を変更することで触覚面の柔軟性を変更することも可能で、例えばシリコーン樹脂で封止すれば人の触覚と同程度の感度を持たせることができ、エポキシなどの硬性樹脂で封止すれば撃力を計測することができる。

Chip.touchence.jpg 一般にピエゾ抵抗式のセンサは、それ自身が温度特性を有しており、高精度な計測を行うためには温度補償を行う必要がある。3軸方向に配置したピエゾ抵抗それぞれに固定式(変形しない)のピエゾ抵抗を付加してブリッジ回路を形成し、これにより温度の影響に伴う抵抗値のバラツキを補正できるようにした。温度補償を実装したタイプ(写真下)は、7月11~13日開催のROBOTECHでの出展を予定する。
  また、両持ち梁の歪みセンサのみで剪断応力の推定が行えるタイプの開発も進めており、より耐久性の高い3軸触覚センサの提供が期待される。

fig.touchence.PNG

 ショッカクチップの構造と計測原理。封止した樹脂が変形した際の歪みを計測することで剪断応力と圧力の両方を検出する(タッチエンス提供)


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