日刊工業新聞社は「第54回 2011年十大新製品賞」の受賞企業を発表し、優れた製品に贈る「増田賞」に富士通のスーパーコンピュータ「PRIMEHPC FX10」とアマダのファイバーレーザマシン「FOL-3015AJ」を選んだ。また、「本賞」に不二越のスポット溶接ロボット「SRAシリーズ」(写真左)やファナックの学習ロボット「R-1000iA」(写真右)など10点を選んだ。1月26日に東京・飯田場足のホテルグランドパレスで贈賞式を行う。
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十大新製品賞はその年に開発、実用化した製品からモノづくりの発展や日本の国際競争力強化に資する製品を選定する。
「増田賞」に選ばれた富士通のスパコンは、世界のスパコン性能ランキングで2連覇中の「京(けい)」の技術を一段と高め、商用機にした。アマダのファイバーレーザマシンは炭酸ガスレーザ加工機では困難だった銅やチタンなどの加工を可能にした。他の受賞製品およびシステムについては以下を参照してほしい。
ロボットのみに言及しておくと、不二越のスポット溶接ロボットは溶接工程のサイクルタイムを従来比30%短縮し、世界最高水準の生産スピードを実現したのが特徴。
車1台分の溶接では、数百台以上のスポット溶接用ロボットを使って約4,000点の溶接を行う。ゆえに、ロボット単体のサイクルタイム短縮が完成車の生産性の向上に寄与することになる。
不二越は、アームの加速度を最大限に高めることでサイクルタイムを大幅に短縮し、27点のスポット溶接にかかる時間を従来機種36.8秒に対し、新機種では26.2秒に短縮した。アームの加速度の向上は、本体を従来機種比20%軽量化し、同15%高剛性化して実現。併せて、溶接用途に適した構造にすることで軽量化に伴う剛性の低下を抑制した。繰り返し精度は同2倍に高めている。
ファナックの学習ロボットは、ロボット自らが動作時の振動を抑制し、俊敏な動作を実現する「学習」機能を備える。振動を抑えたい個所に加速度センサを配置し、プログラムを実行するだけで学習を実行することができる。学習した後に教示作業を通じて軌道を微調整しても、学習効果が維持される。
例えばスポット溶接に適用した場合、動作時間を従来比20%短縮することができる。ロボット1台あたりの生産能力が向上するため、より少ない台数のロボットでスポット溶接ラインを構成することができる。また、重量が大きいワークの搬送にも効果があり、搬送能力の向上も期待される。
なお、ファナックは2009年十大新製品賞にて大ロボット「FUNUC Robot M-2000iAシリーズ」で増田賞を受賞している。
●第54回 2011年 十大新製品賞
《増田賞》
・スーパーコンピュータ「PRIMEHPC FX10」(富士通)
・ファイバーレーザマシン「FOL-3015AJ」(アマダ)
《本賞》
・超速ロボット「SRAシリーズ」(不二越)
・タンパク質分析装置の開発・販売(シャープ)
・スポットスキャニング照射方式を搭載した「陽子線治療システムPROBEAT-Ⅲ」(日立製作所)
・同時5軸マシニングセンタ「T2」(牧野フライス製作所)
・次世代ネットワーク製品「UNIVERGE PFシリーズ」(NEC)
・高精度・高効率複合加工機「NTX2000」(森精機製作所)
・自動車のフロントドア用UVカット強化ガラス「UVベールPremium」(旭硝子)
・5軸制御立形複合加工機「VTM-1200YB」(オークマ)
・免震モジュール「TGS型」(THK)
・学習ロボット「R-1000iA」(ファナック)
《日本力(にっぽんぶらんど)賞》
・SOFC型家庭用燃料電池「エネファーム(Type S)」(JX日鉱日石エネルギー)
・太陽電池・蓄電池併設の低圧受電型EV用急速充電池(ニチコン)
・縦軸クロスフロー式マイクロ水力発電装置(三菱電機プラントエンジニアリング)
《モノづくり賞》
・業務用フォトプリンター「DreamLabo 5000」(キャノン)
・ライスブレッドクッカー「GOPAN SD-PBM1000」(パナソニック)
・2次元レーザ加工機「OPTIPLEX 3015」(ヤマザキマザック)
《中堅・中小企業賞》
・通信ミドルウエア「Ze-PRO IPrec(サーバ)」(図研エルミック)
【関連記事】
►不二越、最速のスポット溶接ロボ開発、車1台当たり25分短縮 (2011/11/04)
►日刊工業新聞、十大新製品賞発表、ファナックの大ロボットが「増田賞」受賞 (2009/01/05)


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