サービスロボット

2012.01.16
ALSOK、警備ロボの障害物回避技術を紹介、エリアごとに行動選択して回避

 綜合警備保障(ALSOK) セキュリティ科学研究所の櫻井正樹氏は、12月23~25日開催の「第12回 計測自動制御学会 システムインテグレーション部門講演会(SI 2011)」で、警備ロボット「リボーグQ」(写真)の障害物回避技術を紹介。ロボットの周囲にとるべき行動として「経路変更」「減速」「停止」のエリアをそれぞれ設定し、障害物が存在するエリアに応じてこれらを選択することで、回避運動を行っていることを明らかにした()。経路変更時の走行アルゴリズムには「Distance Transform法」を採用しており、実験を通じて、障害物を回避しながら目的地に到達できることを確認したという。現在は回避技術を構築したばかりとしており、リスクアセスメントなどを通じて技術検証をした後、動的な障害物を回避するための研究に取り組む。

alsok_0116.jpg ALSOKでは、商業施設やオフィスビルなどで警備ロボットを運用しており、所定時間内での巡回や案内に向けて走行の効率化に取り組んでいる(写真はアクアシティお台場での巡回の様子。現在はここでは運用していない)。減速や停止に加え、安全な障害物回避を実現するために開発した。

 具体的には、障害物回避に対して適切な行動をとれるよう、ロボット周囲に「経路変更」「減速」「停止」のエリアをそれぞれ設定し、障害物が存在する各エリアに応じて行動を選択している()。
 「経路変更」エリアは、ロボットが本来、通過するエリアに設けており、ロボットの全幅をそのまま一定量伸ばした範囲としている。「減速」は、ロボットが進む可能性がある範囲に設定している。リボーグQは左右独立の2輪機構を採用しており、並進速度を固定したときに一定時間内に進む可能性がある範囲にしている。ロボットが減速するに従い、このエリアは狭くなる。そして、「停止」はロボットの外周を一定幅だけ拡張した範囲としている。

fig.alsok_01116.png

 障害物回避にかかる行動決定のためのエリア(櫻井氏の発表資料をもとに作成)

 経路変更を選択した場合は、次のようなDistance Transform法にもとづいて回避経路の生成を行っている。ロボット周囲の環境を2次元グリッドで表現し、グリッドごとに走行可能か否かを判定している。
 リボーグQは前方に1台、後方に2台のレーザレンジファインダー(LRF)を搭載しており、まずLRFで検知した障害物を中心に円を描き、それに含まれるグリッドを走行不可とする。これにより走行可能領域を定義する。次に、グリッド上に表示できる2次元空間の範囲内で本来の経路を表示し、ロボットから最も遠いグリッドをゴールとして設定。そして、「A*(エースター)法」による経路探索アルゴリズムにより最短経路を決定する。

 確認実験は、ロボットの前方5mに障害物としてダミー人形を配置し、6m直進した先をゴールとして与えて行った。走行不可領域を定義したうえで最短経路を生成し、障害物回避が行えたことを確認した。
 ただし今回の実験は、体育館のような広いエリアで実施しており、狭所でも安全に経路変更を行うためには、壁や人など障害物を判定する技術が課題になるとした。また今後は、動的な障害物の回避に向け、時間や速度を考慮した経路生成の開発に取り組むとしている。

  なおALSOKは、2009~2013年度実施の「生活支援ロボット実用化プロジェクト」(NEDO)にて三菱電機特機システム、北陽電機と共同で、機能安全への対応を進めている。現在の取り組みの詳細は、こちらを参照してほしい。


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