その他ロボット関連

2011.12.05
IKOMAロボテック、除草ロボ公開、ロボ利用の高付加価値米として販売も

 IKOMAロボテックは、11月30~12月2日開催の「アグロ・イノベーション2011」で開発中の水田用除草ロボットを公開した(動画)。稲列をまたいで走行することで、本体左右の弾性車輪により条間の除草を踏みつぶしたり、水を濁らせて雑草の光合成を阻害したりすることで除草効果を得る。加えて、本体後方の除草車輪により土中のガスを抜き、酸素を供給することで稲の発育を促すこともできる。1台30万円程度での提供を予定する。また、同社のアグリ事業を活用して、ロボットを提供した生産農家から低農薬米として買い取り、高付加価値米として販売することも計画している。

 同ロボットは、水田にアイガモを放ち、除草や害虫の駆除などの効果を期待する「アイガモ農法」の実現を目指したもの。岐阜県情報技術研究所も類似の研究開発に取り組むが、除草車輪による土壌の撹拌により土中のガスを抜き、酸素を供給することで稲の発育効果を促す点が大きく異なる。

 システムは、おもに弾性車輪と除草車輪、接触式センサ、制御ボックスなどから構成。制御ボックスにはCPUボードのほか方位センサやジャイロセンサ、モータドライバなどを搭載する()。
 使用時は、稲列に沿うようにして圃場に投入し、起動スイッチを押すことで現在の方位を目標方位として認識させて前進させる。接触式センサにより稲に触れたことを検知すると目標方位から反れていると認識し、それとの接触を回避するようにして元の方向へと軌道を修正する。
 外乱光の影響を考慮して、静電容量式の接触式センサを使用した。また、センサは本体前方のフローティング機構に設置しており、ロボットの姿勢が変化しても水面からの距離を一定に保つため、稲との接触を安定して検出することができる()。

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  ロボット単体での販売も予定するが、同社では米の仕入れや販売を手がけるアグリ事業部を抱えることから、ロボットを提供した生産農家から低農薬米として購入し、高付加価値米として消費者に直販することも計画している。
 同社が拠点を置く岡山県では、10kg当たりのJAへの販売価格は1,650円とされる。同社では普通米(慣行栽培)を1,850円で販売しており、ロボットの利用により低農薬栽培(もしくは有機栽培)した米は、高付加価値米として2,400円で販売できるとしている。5反に対し1台のロボット(30万円)を運用することを想定しており、10反当たりの収穫量を4,800kgとすると農家の収入は36万円増加し、投資回収にかかる期間は1.7年で済むとしている。なお、ロボットの耐用年数は6年としている。

 2006年末の「有機農業推進法」の成立や、食の安心・安全への意識の高まりを受け、水稲栽培においても有機栽培や低農薬栽培への取り組みが求められている。以前より、除草剤の使用を控えつつ除草作業の負荷を軽減する方法が模索されており、水田除草機などによる機械除草や日光を遮断する被覆栽培などが取り組まれてきた。水田にアイガモを放ち、除草や害虫の駆除などの効果を期待するアイガモ農法は、その一例だが、飼育に手間がかかるうえ水田を万遍なく回ってくれないといった問題があった。水田除草ロボットは、その代替を目指したものであり、簡易なアイガモ農法として期待を寄せられている。

 実用化に向けては自律移動が求められており、同社のロボットも重要な開発課題に位置づけている。今後は、GPSの搭載により自己位置推定を行うことを予定している。


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