千葉工業大学は、16日の政府による「冷温停止宣言」の後も引き続き、福島原発事故の収束に向け災害対応ロボット「Quince(クインス)」の改良および貸与などで協力することを明らかにした。千葉工大では当初、事故収束に向けた工程表の「ステップ2」の完了、すなわち原子炉の冷温停止状態までをひとつの区切りに、協力することを明言していた。現在も未来ロボット技術研究センター(fuRo)の小柳英次副所長らを中心にQuinceの追加投入に向けた準備を進めており、東京電力側より協力要請がある間は、事故収束に向け協力する。原子力委員会の中長期措置検討専門部会で廃炉(廃止措置)に向け、中長期的なロードマップおよび研究開発課題が取りまとめられており(11月12日の記事を参照)、その具体化には原子炉建屋内部のさらなる調査が欠かせない。こうした用途でも活用されると見込まれており、2012年の早い段階で追加投入される。
千葉工大と国際レスキューシステム研究機構(IRS)、東京電力の三者間で貸借契約(無償貸与)を交わしており、Quince(写真)のほか操作卓や無線通信機、ノートパソコン、ケーブル類、バッテリーおよび充電機類、工具類などを東京電力に1年間貸し出すことになっている。6月8日には関係者による貸与式を行った。
6月24日のファーストミッションを皮切りに、原子炉建屋内での線量計測およびダストサンプリング、環境計測、配管類の調査などで活用されている。7月26日に実施した冷却系配管の調査結果(動画)は、1カ月後には非常用炉心冷却系〔炉心スプレイ(CS)系〕の稼働に役立てられ、その高い冷却効果により(燃料上部からシャワーのように注水して直接冷却)原子炉の安定冷却につながった。ところが現在は、10月20日のミッションでツイストペアケーブルが断線し、2号機原子炉建屋の3階でスタックしたままとなっている。
動画 7月26日に実施した調査の様子。3号機建屋内の線量計測と原子炉を冷却するための配管の調査を目的に実施した(東京電力提供)
千葉工大では1台目のQuinceを貸与して以降も、追加投入に向けた準備を進めており、10月頃には、レーザレンジファインダーと線量計により3次元の線量マップを生成する機能に加え、高所カメラやガンマカメラなどを搭載することを明らかにしていた。ただし、原子炉建屋内の状況は日々変化しており、ケーブルの巻き取り機構の改良などに取り組んでいることを踏まえると、追加改良を進めていると推測される。
今回の冷温停止宣言に対し様々な見方がなされているが、千葉工大の継続的な活動を通じて言えることは、事故収束に向けロボット工学ならびにロボット産業が果たすべき役割は多くあり、廃炉という中長期的な活動に向け、関連する研究成果ならびに要素技術の提供が強く求められている。
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