安川電機は、11月9~12日開催の「2011国際ロボット展(iREX2011)」で人共存環境下で運用することができる、全軸に出力80Wのモータを使用した「人共存ロボット」を公開した。昇降軸と水平軸からなる計5軸構成となっており、昇降駆動と水平駆動を分離し、昇降軸にエアシリンダーによる自重補償機構を組み込むことで低出力モータの利用を可能にした。2010年の「第4回 ロボット大賞」で大賞を獲得したトヨタ自動車のスペアタイヤ自働搭載ロボット(トヨタでは「自働」と表現)と同様の用途をイメージしたデモ(動画)を披露したが、可搬重量はトヨタの25kgに対し120kgを有しており、他の重量物の搬送用途にも活用することができる。販売時期および価格は未定としている。
労働安全衛生規則 第36条 第31号の労働大臣が定める機械を定める告示では、すべての原動機出力が80W以下であれば産業用ロボットの適用除外となり(*)、リスクアセスメントの実施により人と共存環境下での運用が可能になる。昇降駆動と水平駆動を分離し、昇降軸にエアシリンダーによる自重補償機構を組み込むことで全軸に出力80Wのモータの利用を可能にした(写真)。
トヨタのスペアタイヤ自働搭載ロボットでは昇降軸に平行リンクを採用しており、平行リンクが鉛直方向に向いた姿勢でバネの伸びがゼロになるようバネのたわみを調整することで、アームの自重をゼロにしていた(図)。自重補償機構の原理は異なるが、結果的に類似の軸構成となっている。
*:産業用ロボットの安全規格ISO 10218ではツールセンターポイントの最大動力は80W以下、最大力は150Nという制御下で人との協調運転を許容している。
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ロボットの手先にはキーエンス製レーザスキャナーを搭載しており、作業者などの接近を検知して停止することが可能。水平回転の第2軸に力センサを搭載しており、レーザスキャナーの死角に入り込んで作業者に衝突したり挟み込んだり際は、アームにかかる外力を検知して安全に停止することができる。また、作業者はアームを押しのけて逃げることができる。さらに、エアシリンダーによる自重補償機構を採用しているため、アームが急に下がるといった危険もない。
トヨタでは、2010年1月より高岡工場(愛知県豊田市)の第1組立ラインで運用を開始しているが、45秒のラインタクトへの対応が適用の条件となっていた。スペアタイヤの自動搭載での実用化を目指す場合は、これへの対応が1つの目安になると見込まれる。また、トヨタではスペアタイヤのほか、バッテリーやエンジンの自動搭載にも適用をする計画を明かしていたが、安川電機が公開した人共存ロボットは可搬重量が大きく、かつ汎用性があるため、こうした重量物の自動搬送に有効と思われる。
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