サービスロボット

2011.11.02
トヨタ、自立歩行の支援などに向け介護・医療支援ロボ4機種を開発

 トヨタ自動車は1日、足の不自由な人が装着して自然な歩行を助ける「自立歩行アシスト」など介護・医療支援向けロボット4機種を開発したと発表した。自立歩行アシストは、下肢麻痺などにより歩行が不自由な方の自立歩行を支援するもので、 麻痺した脚に装着して使用することで自然な脚の振り出しや膝の曲げ動作をアシストする。 今後、病院や介護施設などで実証実験を行い、「2013年以降の実用化を目指す」(井上洋一常務役員)としている。
 
 自立歩行アシストのほか、リハビリ向けに「歩行練習アシスト」、ゲームをしながらバランス感覚を練習できる「バランス練習アシスト」、ベッドから車椅子などへの移乗介助を支援する「移乗ケアアシスト」を開発した。
  自立歩行アシスト(写真1)は、大腿部に搭載した姿勢制御センサと足裏に負荷した荷重センサにより歩行者の動作意図を推定し、膝の振り出しや膝の曲げ動作をアシストする。脚を前方に振り出す遊脚期のみアシスト力を発揮し、体重を支える立脚期は体重の保持を支援する。ホンダが開発している「リズム歩行アシスト」と異なり、立脚期における体重の保持も支援する点に特徴がある。

 歩行練習アシスト(写真2)は、歩行練習の初期段階からの自然な歩行の習得を支援するシステム。自立歩行アシストを装着して歩行練習を行い、回復具合に合わせて体重のアシスト力を変更し、同時に関節角度などの歩行データをモニタリングすることで歩行練習による成果を可視化する。

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自立歩行アシスト(写真1、左)と歩行練習アシスト(写真2、右)

 バランス練習アシスト(写真3)は、バランス確保が不自由な人のバランス機能の練習を支援する、ゲーム感覚で楽しめるシステム。「Winglet(ウィングレット)」などに実装している倒立2輪制御を応用した。システムに搭乗し、前後・左右の体重移動によりゲームの登場人物を操作することが可能で、テニスとサッカー、バスケットボールの3つのゲームを楽しみながらバランス機能の回復につながる。
 移乗ケアアシスト(写真4)は、要介護者のベッドから車椅子などへの移乗介助を支援するシステム。体重保持用のアームとアシスト台車を組み合わせている。要介護者にシステムに身体をあずけもらい、実装した制御機能により人を抱えるように優しく持ち上げて移乗が行える。ただし、重量は140kgもあり、試作の域を出ていない印象を与える。

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バランス練習シススト(写真3、左)と移乗ケアアシスト(写真4、右)

 自立歩行アシストなどは、藤田保健衛生大学でリハビリ医学を研究する才藤栄一教授の協力を受け、患者や介護者の声を反映して開発した。才藤教授は、NEDOの「人間支援ロボット実用化基盤技術」にて、アスカと共同で下肢麻痺者の自立歩行を支援する装着型の歩行補助ロボット「WPAL(ウーパル)」を開発している。
 なおトヨタでは、同社におけるロボット開発のターゲットに「介護・医療支援」のほか、「パーソナル移動支援」「製造・ものづくり支援」「家事支援」の4領域を設定している(下図)。NEDOの「生活支援ロボット実用化プロジェクト」で開発した安全技術を実装した新型Wingletについては近々、茨城県つくば市での実証実験に参加することを予定している。

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