サービスロボット

2011.11.15
住商と富士重工、清掃ロボと人の連携で2倍の清掃効率を提示

 住友商事富士重工業は、11月9~12日開催の「2011国際ロボット展(iREX2011)」で「生活支援ロボット実用化プロジェクト」(NEDO、2009~2013年度)で開発しているオフィス専用部向け清掃ロボットを出展。オフィスビル専用部を再現したデモスペースで、清掃作業者との協業により効率的に清掃できる様子を披露した。清掃ロボットがレーザ三角測量によりオフィス空間内で自己位置推定しながら清掃作業を行い、清掃作業者がコードレス背負い式クリーナーでデスクの下や脇などを清掃する(動画)。4日間にわたるデモを通じて、同ロボットのロバスト性および清掃効率の高さを示した。
 すでに住友商事が本社を構える晴海トリトンスクエア(東京都中央区)で運用を開始しているが、新たに住友商事八重洲ビル(同)にも導入したとしており、ビルのディベロッパーや管理会社などに向けての販売を検討する。

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 10年前に実用化し、多くの導入実績を持つオフィス共用部向けと比較して小型・軽量化した。また低層階から高層階までの移動(垂直方向の移動)は、共用部向けはエレベータとの連動により自律移動するが、軽量化に伴い、清掃作業者が手押しによりエレベータを利用して行うようにしている。

 オフィス専用部内での自律移動(水平方向の移動)は、レーザ三角測量により自己位置推定をしながら行う。壁面には複数のリフレクタを配置しており、本体上部に設置した投光器から360度レーザを投光し、リフレクタからの反射光が戻ってくるまでの時間からそれまでの距離を、角度から各リフレクタの方向をそれぞれ認識。事前に登録したリフレクタの座標位置と比較することで位置および方向を推定する。ガラスや段差などがある危険個所は、手間に敷設した磁気テープを頼りに回避運動を行うようにしている。

  清掃作業者と共存しての利用を想定しており、最高速度は30/minと抑えているが、人が存在する環境下では20m/minと低速で走行する。本体前方下部にはレーザレンジファインダー(LRF)とバンパセンサを搭載しており、LRFにより清掃作業者や障害物を検知して減速・停止し、万一接触した際は、バンパセンサで検知して停止する。現在、安全かつ確実な停止に向けNEDOプロにて安全関連系の開発を進めており、その一端をデモで披露した(動画)。

  清掃作業は、コードレス背負い式クリーナーを抱える清掃作業者と連携して行う。清掃ロボットが自己位置推定をしながらデスク間の通路を清掃し、清掃作業者がデスクの下や脇、狭所を清掃する。従来のアップライト型掃除機による清掃作業と比較して倍近くの清掃効率が見込まれるとしており、オフィス専用部を再現したデモスペースの清掃では、従来方式では1/2の面積でも4分程度を要したのに対し、このような方式では全体の面積を4分20秒で清掃できることを示した。また、想定する走行速度20m/min程度までは、アップライト式掃除機よりも塵埃吸引率が高く、清掃効率と清掃品質の両立が達成される。
 なお、清掃作業の方法については住友商事のグループ企業である、ビル清掃会社のエス・シー・ビルサービス(SCB)と共同で検討を進めている。

 すでに実用化しているオフィス共用部向けでは、そのエリアが広大な大規模オフィスビルでなければ費用対効果を得にくいが、オフィスビルの専用部は拡大傾向にあり、また、低価格での販売を予定していることから、中規模ビルでも費用対効果が得られると見ている。

 おもな販売先は、ビルのディベロッパーや管理会社などを想定。これらに清掃ロボット本体を販売し、清掃事業者などに清掃ロボットの走行プログラム生成ソフトなどをライセンス提供する。清掃品質などの決定権を持つ管理会社の方がロボットを導入しやすく、また、清掃事業者が生成ソフトを保有するのは、清掃サービスを提供するうえで望ましいからであり、さらに、住友商事と富士重工にとっても、経路設計および変更などシステム構築の手間から解放されるメリットがあるとしている。


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