産業用ロボット

2011.11.18
KUKAと三明機工、人と共存可能なロボ披露、ただし150Nの扱いには注意

 KUKAロボティクスジャパンと自動化システムを提案する三明機工は、11月9~12日開催の「2011国際ロボット展(iREX2011)」で低出力モータを採用した、小型・軽量の垂直多関節ロボットを公開した。KUKAは出力80W以下のモータの採用を、三明機工は最大力150Nに低減したことをそれぞれ強調。前者は「労働安全衛生規則」の適用除外となるため、リスクアセスメントの実施により人と共存環境下で運用できる。しかし、後者の「150N」という数値は、現在は国際安全規格ISO 10218-1から削除されており、人と共存環境での運用が許容されるか否かは調査が求められる。

kuka_1118.jpg KUKAが公開したのは、2012年に国内販売を開始する7軸構成の「KUKA Light-Weight Robot(LWR)」。現在の最新モデル「LWR4+」(写真)を出展し、来場者に実際に触れてもらうことで、軽量かつ柔らかな動きを体感してもらった(動画1)。

 ロボット本体表面にアルミ素材を多用することで本体重量を16kgに軽量化しつつ、可搬重量7kgを達成したのが特徴。また、各軸に搭載したトルクセンサにより、衝突などにより一定以上の外力が加えられると停止したり、推定した外力をもとに手先のコンプライアンス(柔らかさ)を目標値に設定すること(コンプライアンス制御)で柔らかく動作したりすることができる。また、こうした特徴により手先に作用する外力を推定し、手先位置を修正して対象物に馴染ませながらの組み付け作業も行える(動画2)。
 障害物に衝突していったん停止した後は、一定時間を過ぎると元の軌道に復帰することが可能。コントローラ上でバーチャルウォールを設定することにより衝突を未然に防止することもできる。

  前回のiREX2009で発表した段階では、日本国内での販売を見合わせるという方針を掲げていたが、発表して以降の国内での高いニーズを受け、今秋に日本市場への投入を決定した。国内販売するのは「LWR5」となる。新規分野となる食品・医薬品・化粧品の「3品」業界をはじめ幅広く提案する。

動画1 来場者に軽い操作力で扱えるのを体感してもらっている

動画2  手先に作用する外力を推定し、対象物に馴染ませながら組み付けが行える

 三明機工が出展したのは、デンマークのUNIVERSAL ROBOTS社が開発した「MOBILE ROBOT」(動画3)。KUKAのLWRと同等の本体重量18kgに抑えており、作業者が抱えての移設が可能。床面に加え、天井や壁面への設置も行える。また、軽量なためダイレクトティーチングにかかる負担も小さくて済む。

 三明機工では最大力が150Nに抑えているため本質安全であり、安全柵が不要と紹介していたが、現在のISO 10218-1では数値の根拠が不明との意見から、この数値は削除されている(*)。また、最大動力の目安となる「80W」も削除されている。労働安全衛生規則では、定格出力80W以下であれば適用除外となることが明記されており、国内ではこちらの遵守が優先されることから、これを満たすロボットあれば、リスクアセスメントの実施により人と共存環境下で運用できる。しかしMOBILE ROBOTに関しては、リスクアセスメントの実施により運用可能となるか否かについて再度、調査が求められよう。

*:以前は、以下のように規定されていたが、現在は削除されていると名古屋大学の山田陽滋教授は説明する。The robot shall be designed to ensure either a maximum dynamic power of 80 W or a maximum static force of 150 N at the flange or TCP (determined by the risk assessment ).The robot design shall ensure that these values cannot be exceeded.

動画3 MOBILE ROBOTの動作デモの一例


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