不二越は、11月9~12日開催の「2011国際ロボット展(iREX2011)」で視覚センサのみでギヤの組み付け作業が行える「視覚センシング組立ロボット」を出展した。ハンドカメラとして使用する内蔵カメラとステレオカメラによりギヤの位相関係を認識し、位置姿勢を補正しながら組み付け作業が行える。精密な嵌め合い部品の組み付け作業にも対応する。早ければ今年度中に社内実験を実施し、連続稼働試験を経た後、来年度以降に実ラインへの適用を目指す。
ロボットによるギヤの組立作業や精密な嵌め合い部品の組み付け作業は、すでに実用化されている。ただし通常は、人が目で部品位置を確認し、手で力(反力)を感じながら組み付け作業を行うのと同様、ハンドカメラで部品位置を確認し、力覚センサで組み付け時の反力を検出しながらハンドの位置姿勢および速度を制御して行う。不二越のように視覚センサのみで行う例は珍しい。
公開したシステムは、多品種ワークのハンドリングに対応する3指ハンド「フレックスハンド」を使用。フレックスハンドにカメラを内蔵し、ハンドカメラとしてステレオカメラを脇に設置した。減速機構の組立作業を通じて、ギヤの位相関係を認識しながらのハンドの位置姿勢の補正や、嵌め合い位置を認識しての芯出し作業が行える様子を披露した(動画1)。挿入部の位置が多少ずれていても追従することができるという。
動画1 視覚センサのみで組立作業が行えるシステム
また、不二越は力覚センサを利用した組み付けデモも披露した。写真右側のロボットの手先に6軸力覚センサ(ニッタ製)を搭載しており、組み付け時の反力を認識しながら手間に置かれた部品や左側のロボットが把持したワークに対して挿入作業が行える。こちらの力覚センサを用いた組立システムは、一部工程で使用しているという。同社の7軸垂直多関節ロボットのデモも兼ねており、7軸ならではのアームの回り込み姿勢ができ、コンパクトなレイアウトにできることを示した(動画2)。
なお、3指タイプのフレックスハンドは、大型ワークにも対応し、かつワークに対し一定圧で把持できるよう、リンク機構でフィンガーを支持した構造にしたという。
動画2 7軸垂直多関節ロボットによる協調しての組み付け作業
力覚センサを使用せずに組立作業を行うシステムとして、前回のiREX2009に引き続き、東芝機械が「センサレス・コンプライアンス制御」を披露した。
同制御では、各軸に発生している実際のトルク値を電流値から計算し、ロボットのモデルから推定される各軸のトルク推定値を比較することで、ロボットの手先に作用する外力を推定。推定した外力にもとづいてロボットの手先位置を修正することで、RCC(Remote Center Compliance)デバイスと同様の特性をツール先端に持たせている。
東芝機械では、アーム先端に作用する外力およびモーメントの「推定処理技術」と、あたかもばねが付加されているかのようにアーム先端を柔らかくする「コンプライアンス処理技術」から構成されると説明しており、後者では、ばねの復元性により元の位置へ戻ろうとすることを考慮し、一定力で押し続けるような特性を付加することで対象物に馴染ませることができる。
同社の垂直多関節ロボット「TV800」に実装し、モータの組立作業を通じて、ロータ軸やベアリングの挿入、プレートの組み付けが行える様子を披露した(動画3)。挿入方向に対しては30Nで、水平方向に対しては押し付け力フリーで組み付け作業が行えるため、一定力で押し付けながらのドライバ操作やワークに馴染ませながら位置ずれが吸収できることを示した。同社製モータの組立工程で一部適用を始めているという。
力覚センサは破損しやすく、それにより組立ラインの停止につながることから、同制御を開発したとしている。
動画3 センサレス・コンプライアンス制御によるモータの組立作業
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