公共/フロンティア

2011.09.29
東電、QuinceとJAEA-3号のミッション公開、ガス管理システムの設置に向け

 東京電力は28日、22日と24日に千葉工業大学などが開発した「Quince(クインス)」を福島第一原子力発電所2号機および3号機原子炉建屋に、23日に日本原子力研究開発機構(JAEA)が開発した災害対応ロボット「JAEA-3号」を2号機原子炉建屋に、それぞれ投入したことを発表。併せて、ミッションの様子(動画1動画2)を公開した。原子炉格納容器内の圧力を大気圧程度に低減するガス管理システムの設置作業に向けた調査の一環で、同システムの設置により放射性物質の放出量の低減につなげる。

動画1 3号機原子炉建屋内を調査するQuince(9月24日撮影、東京電力提供) 

動画2 2号機原子炉建屋の入域エリアの様子を撮影するJAEA-3号(9月23日撮影、東京電力提供) 

 東電では9月より、炉心スプレイ系からの注水により圧力容器の上部からシャワーのように直接冷却する方法を始めており、原子炉底部の温度を100℃以下に安定しつつある。格納容器から放射性物質の放出量の減少につなげており、さらなる低減に向け、格納容器に充填した窒素を同程度のガス量を抽出・管理し、容器内の圧力を大気圧と同程度にすることを目指している。その管理システムの設置作業の検討に向けQuinceとJAEA-3号を投入した。

jaea-3_0929.PNG  Quinceは、すでに報じた通りのシステム構成で、2号機および3号機原子炉建屋で線量計測や建屋内部の調査などを行った。計測結果は東電ホームページを参照してほしい。
 JAEA-3号(写真(*)は原発災害支援ロボット「RESQ-A」をベースに、ガンマ線の計測用途に向け開発したロボットで、ガンマカメラのほか、空気中の物質を採取するダストサンプラー、放射線を計測するガイガーミュラー計数(GM)管を搭載する。ガンマカメラで映した画像は縦18×横18の区画に分割され、それぞれの区画で線量と距離を補正し、線量の強度によって色分けして表示。50m先の対象物まで測定することができる。当初、原子炉建屋内で継続的に運用することを想定して開発されたが、Quinceと同様、ミッション終了後は回収している。なお、1号機原子炉建屋については、すでに必要な情報を収集しており、今回の用途ではロボットによる調査は実施していない。

*:JAEA-3号は、遮蔽板などを施したコントロール車とともに7月に福島第一原子力発電所に搬入されている。同じくガンマカメラを搭載するJAEA-1号と、屋内瓦礫除去用に開発したJAEA-2号は、日本原子力研究開発機構にて待機状態となっている。

 東電では7月下旬頃には、米iRobot社の「PackBot(パックボット)」は建屋上層階(階段の傾斜角は約40度)および建屋地下(同約42度)へのアクセスは困難と判断しており、地上階のみ(平面での移動)で運用する方針を打ち出している。したがって、上層階へのアクセスが求められるミッションにはQuinceを利用しており、今後もフル活用されると見込まれる。来月下旬には、遮蔽板の設置作業などの検討に向け、3次元計測機能などを搭載したQuinceが投入される予定となっている。


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