RT(Robot Technology)要素

2011.09.17
三菱電機、コネクタ付きケーブルの認識方法を紹介、3Dセンサの販売は未定

 三菱電機 センサ情報処理システム技術部の北明靖雄氏は9月7~9日開催の「第29回 日本ロボット学会学術講演会」で、「戦略的先端ロボット要素技術開発プロジェクト」(2006~2010年度、NEDO)で開発した3次元距離センサ(写真左)と、柔軟ケーブルを取り扱うための認識アルゴリズムを紹介。コネクタ付きケーブルの1本取り出し(ビンピッキング)と整列治具への整列(キッティング)作業を対象としており、構築したロボットセル生産システムによる検証を通じて、200回連続で成功したことを明らかにした(写真右)。現状でも複数コネクタの認識が可能としながらも今後、より汎用的に扱えるよう認識できるコネクタおよびケーブルの拡張を図る。また、3月開催のNEDO成果発表会では、システムを構成する各種要素技術の外販を検討するとしていたが、コグネックスと画像処理システムで提携している事情もあり、3次元距離センサの販売は未定としている。

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  ロボットセル生産システムは、2台の多関節ロボットが協調してバラ積みケーブルをビンピッキングして整列治具にキッティングしたり、コネクタに挿入したりすることができる(動画)。3次元距離センサは、ビンピッキング時のケーブルの認識と把持状態の認識に1台ずつ使用しており、前者はエンドエフェクタ部に、後者は整列治具の脇にそれぞれ設置している。ケーブルとコネクタそれぞれを対象にした認識アルゴリズムを開発し実装することで、柔軟なコネクタ付きケーブルのビンピッキングならびにキッティングを可能にした。

 ケーブルの認識は、計測した3次元距離画像からケーブルの3次元曲面形状を抽出し、位相判定およびハンドの干渉判定を行うことで把持候補の優先づけを行う。これによりケーブル同士の重なり具合をもとに最適なものを選択することを可能にしている。また、ケーブルの中央ではなく端部を優先する処理を行っており、単純に最上位にあるケーブルを把持したときの成功率が50%以下だったのに対し90%を達成した。

  コネクタの認識は、簡易な直方体の組み合わせで表現したコネクタの3次元モデルを用いて行う。具体的には、次のような手順で処理しており、まず3次元距離画像からコネクタのエッジを検出し、先端領域を抽出。次に、抽出した領域にハフ変換を適用し、直方体モデルという前提から一対の平行線の抽出および、その間の面法線を計算。コネクタと推定される先端部の3次元姿勢を決定する。そして、これに直方体の組み合わせで表現したコネクタの3次元モデルを、3次元の奥行き情報を用いて位置合わせをし、コネクタの位置・姿勢を推定する。

  ビンピッキングおよびキッティング時は、これらの認識アルゴリズムを併行して走らせており、前者では、把持候補の優先づけをしたケーブルの情報と、推定したコネクタの位置・姿勢から把持すべきケーブルの位置・姿勢を算出して実施(写真左)。後者では、把持したケーブルのコネクタの位置および姿勢を再度認識し、位置ズレを補正することで行う(写真右)。構築したセル生産システムによる検証の結果、バラ積みされたビンピッキングおよび位置・姿勢の補正によるキッティングができ、かつ200回連続で行えることを確認した。また、このような直方体の組み合わせで表現したコネクタモデルの利用により、様々なコネクタに対応できることも確認したという。

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バラ積み状態のコネクタの計測例(左)と把持したケーブルの状態判定(右)

  なお、3次元距離センサの認識には「空間コード化法」を利用しており、計測対象に対してスリット光を照射し、カメラで捉えた画像から3次元形状データを算出している。小型光学エンジンの開発によりエンドエフェクタ部に搭載可能なサイズにするとともに、ワイドダイナミックレンジ機能の搭載により黒いケーブルや光沢の強いケーブルの認識を可能にしている。ただし現時点では、外販は未定としている。


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