IHI は、9月8日、9日開催の「IHIフォーラム2011」で精密なはめあい(嵌め合い)部品の組み付けを可能にする制御アルゴリズムを開発、多関節ロボットによる組立デモで披露した(動画)。アーム先端部の力覚センサで計測した組み付け時の反力に応じて、ハンドの位置および姿勢、速度を精緻に制御して組立作業を行う。0.002~0.008mm(H7/g6)の嵌め合い寸法への対応を可能にした。精密部品の組立作業における品質の安定化が期待される。すでにターボチャージャを生産するIHIターボの木曽事業所で運用を開始している。
精密な嵌め合い部品を組み立てる際、作業者は手で力(反力)を感じながら組み付け作業を行う。同様に、6軸力覚センサで組み付け時の反力を検知しながら行うことで、精密部品の組付けを可能にした。
公開したデモシステムは、6軸力覚センサおよびハンドカメラを搭載する垂直多関節ロボットとネジ締め装置、部品供給ステージ、組立ステージ、搬出ステージから構成(写真左)。ハンドカメラにはLED照明一体型を使用した。デモにはピストンに見立てた精密部品を使用(写真右)。シリンダーの底部に相当する部品を組み付け、ネジ締め装置で固定した後、組立ステージに戻してピストンを挿入、シリンダー上部に相当する部品を組み付け再度、ネジ締め装置で固定する、という一連の作業を披露した。
|
|
ピストンの挿入時は力制御に切り換えており、力覚センサで計測した反力に応じてハンドの位置および姿勢、速度を精緻に制御して行う。また、挿入開始時はゆっくりと動作し、途中から高速な動作に切り換える制御(「IHIでは「力切り換え制御」と表現)を行っている。ロボットによるペグ・イン・ホール(ピン挿入)作業は、部品形状に倣って挿入できるようコンプライアンス制御により手先を柔らかくしてゆっくり行う例が見られるが、このような力制御により速やかな挿入を可能にしつつ0.002~0.008mmの嵌め合い寸法への対応を可能にした。
ハンドリングは、ハンドカメラで捉えた画像処理情報をもとに行っており、部品供給ステージ上の部品の位置がずれていても把持したり、ネジ穴の位相に合わせたりすることが可能。安定したハンドリングを実現している。
このような高精度の嵌め合い部品の組立作業には熟練度が要求される。公開したシステムは、作業速度は人と同程度と想像されるが、組立品質の安定が期待されるうえ、連続稼働により生産性の向上が見込まれる。
また、同フォーラムでは力制御の応用例として、工具の押し付け力を制御することで仕上げ加工を行う開発例も公開した。「RobotWorks」などオフラインティーチングソフトで生成した制御プログラム(位置制御情報)に、力制御による工具の送り方向と垂直方向への動きを組み合わせることで、ワークのエッジや表面形状に倣いつつ加工を行う。ブランク加工後のエッジ仕上げや翼面の磨き仕上げなどへの利用に向け開発を進めていく。
【関連記事】
►IHI、インパネの組み付け工程に向け人・ロボット協調システム開発 (2011/05/31)
►IHI、ハンドリングの向上にむけワークの移動先を予測する技術を公開 (2011/05/29)
►IHI、バラ積みピッキングシステム公開、部品の取り出しから加工機への投入までを披露 (2010/09/18)
►IHI、バラ積み部品を衝突させずに取り出せるシステム開発、来年にはセル生産ロボも (2010/08/25)
►これからの産ロボには「やわらかさ」が必要? 力覚センサレス制御と格安の力覚センサ (2009/12/22)
►東芝機械とKUKA、柔らかな制御で競演、KUKAは非製造分野での利用も視野 (2009/12/07)


ビジネスライン














