富士重工業 エコテクノロジーカンパニー クリーンロボットプロジェクトの関淳也主任は、9月7~9日開催の「第29回 日本ロボット学会学術講演会」で、今年度で終了する「次世代ロボット知能化技術開発プロジェクト」の開発状況を紹介。公開予定しているソフトウエアモジュールのRTコンポーネント(RTC化)35個のうち30個の開発を終了し、すでに実用化している清掃ロボットなど(写真は検証で使ったロボットの一部)に実装して有効性を確認したことを明らかにした。同社のロボットは清掃品質を確保できるよう、直進および旋回性能を重視した設計となっており、それぞれの軌跡などを計測したところ、従来ソフトと同等の走行性能を確保した。移動ロボットの基本機能であり、再利用性が高いことから、同社で品質保証したうえで外部提供をする。各種センサと一体での提供を予定しているが、現時点では外販時期は未定としている。
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富士重工では、同プロジェクトに参画する以前よりソフトウエアのモジュール化に取り組んでいる。参画後はその見直しに着手し、体系化がなされているかどうか、また独立性を確保しているかどうかなどを検証し、2008年度からは次のステップとして、産総研の協力を得つつRTC化に取り組んできた。同社はRTC化していないソフトウエアモジュールを「機能モジュール」と表現しているが、RTCのフレームワークにもとづいて体系化しており、RTCと同様に扱うことができる。これらの公開は予定していない。
同社の認識系のRTCは、「認識」と「情報管理」のセットで用意していることに特徴がある。例えば、ジャイロセンサの認識に関しては「ジャイロ認識モジュール」と「同情報管理モジュール」の2つを用意している。ジャイロセンサからの角度情報は同社製インターフェースに一定周期で入力され、ジャイロ認識モジュールからの要求により、上位の「インターフェース通信モジュール」を介して角度データを送信。ジャイロ認識モジュールは角度データをジャイロ情報管理モジュールに受け渡し、同モジュールでは目標角度とのずれを算出して、それぞれの走行制御モジュールに受け渡す、という処理を行っている(詳細はこちら)。
残り5個のRTCについては9月中に開発を終え、清掃ロボットなどに順次実装して有効性を検証する。
RTC化により開発効率が向上したかどうかは現時点ではわからないとしているが、RTC化に伴い「ドキュメントを体系化できたことに最大の成果がある」(関主任)と捉えている。RTCごとに「文章表」「機能仕様書」「操作手順書」「検証仕様書」「検証報告書」「フローチャート」を用意することを必須としており、これらの作成を終えないうちはコーディングしないことをルール化している。また各RTCは、総組立図から各部品の追跡を可能とするJIS製図基準に倣って管理する方法を採用している。ソフトウエアに起因すると思われる不具合が発生した際は、各RTCから原因を追跡することができることから、「こうした地味な作業の重要性を理解してもらい、大学でも実践してほしい」(同)と強調した。
同社では、従来よりアセンブラでソフトウエアを組んでおり、また、各モジュールはソースコードで100行程度、A4用紙2枚程度の分量の粒度にすることを推奨している。安全監査を含めアセンブラの確認作業は、埼玉工業大学の教授を務める青山元上席技師が担当している。
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