サービスロボット

2011.09.12
ダイフク、無人搬送車の高速運行に向け安全技術を開発、13年に現地試験

 ダイフクの毬山利貞氏は9月7~9日開催の「第29回 日本ロボット学会学術講演会」で、2011年度から参画した「生活支援ロボット実用化プロジェクト」(NEDO)での開発計画を紹介。配送センター内で運用するビークル(無人搬送車)の高速走行に向け安全技術を開発し、JIS規格の改定に向け提言することを明らかにした(はプレス発表資料の一部)。最高速度を200m/min(3.3m/sec)まで高速化しながらも、現行の最高速度60m/minと同等の安全性を確保することで、作業者やフォークリフトが共存する配送センター内での運用を目指す。年度末には1台目の試作機で実証実験を実施し、技術改良を経たのち、最終年度となる2013年度には配送センターで現地試験を行う。プロジェクト終了後は、開発した安全技術を工場内における搬送業務などにも展開していく。

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 ビークルの高速化による配送センターにおける生産性の向上を目指す。同時に、それに伴うリスクの低減に寄与する安全技術を構築し、JIS規格の改定に向け提言することを予定している。
 作業者やフォークリフトが混在する環境下での運用に向け、おもに3つの技術開発に取り組んでいる。1つはSIL(Safety Integrity Level:安全度水準)2相当の安全要求を満足する3次元距離センサの開発。ビークル本体に搭載し、前方約20mの障害物を検知した際は停止することを目指している。制御系については、例えば1年目から取り組んでいる綜合警備保障のように、衝突リスクを検知した際の緊急停止にかかる制御系を安全関連系として独立し、制御系を介さずに走行停止にする構成をとると思われる。

 2つ目は、エリアローカルシステムによる警報技術。ブラインドコーナーなどにレーザ方式のローカルエリアセンサを配置して、作業者などとの衝突を回避する。
 3つ目は、UWB(Ultra Wide Band)を用いたエリア管理システム。ビークルに加え、作業者やフォークリフトにタグを付与し、UWBにより位置情報をトラッキングして安全に減速したり停止したりすることを目指している。電波の反射に伴うゴースト障害の発生などが懸念されるが、他の方式に比べて抑制できるとの判断からUWBを選択した。
 開発中のシステムは、検出にかかる位置精度は20cm程度で、500msecおきにトラッキングを行っている。ただし、「100msec単位でタグの情報をアップデートしなければ安全性の確保は難しい」(毬山氏)と判断しており、数十個単位のタグを検出する際でも、このようなリアルタイム性を確保できるかを今後の課題の1つにあげている。また、現行の電波法では運用範囲に制約がある点も課題にあげた。

 すでに基本設計をおよびリスクアセスメントを終えており、年内には各種デバイスを開発し、年度末には試作機1号機で実証実験を実施。2012年度には技術改良した試作機2号機を開発し、最終年度には顧客の配送センターを借りて現地試験を行う。

 日本産業車両協会統計によると、ビークルの販売台数は年間約1,000台で、市場規模は約20億円。運行システムなどを含めると80~100億円となっている。ビークルの高速化に向けたニーズは顧客の約半数からあげられており、高速化に伴う安全性の確保によりビークルの適用範囲ならびに市場拡大を目指す。また、ダイフクでは開発した安全技術を他の搬送業務にも展開していく。

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