公共/フロンティア

2011.08.24
東電、26日にも燃料上部から直接冷却へ、Quinceの調査結果を生かす

 東京電力は23日、福島第一原子力発電所3号機で、より冷却効果の高い給水ラインにより注水を開始すると発表した。26日から「炉心スプレイ(CS)系」(写真、炉心スプレイ系があるグレーチング)と呼ばれる非常用炉心冷却系の1つを稼働させ、燃料上部からシャワーのように注水して燃料を直接冷やす。現在は「FDW系」と呼ばれる注水系から原子炉格納容器の下部に注水し、その蒸気により燃料を冷やす「蒸気冷却」行っている。CS系からの注水は燃料上部から直接冷却できるため冷却効果が高いと見ており、CS系による冷却を同時に実施することで冷温停止状態につなげていく。

0824tepco.jpg  7月22日と26日、27日にロボットと作業員による現地調査を通じて、CS系の注入元弁の電動開閉動作が可能なことを確認した。ロボットによる調査には、22日に米iRobot社の「PackBot(パックボット)」を、26日に千葉工業大学などが開発した「Quince(クインス)」をそれぞれ使用。PackBotでは建屋上層階にアクセスできなかったが、Quinceによる調査では建屋2階にアクセスしてCS系ラインの撮影を行っており、今回の判断に役立てられた(動画は7月26日のミッションの様子)。
  CS系からの注水により冷却効果を高め、圧力容器内の温度低下と注入量を低減する。当面は3m3/h注水し、圧力容器の温度変化を監視する。

 現在、3号機にはFDW系により7m3/hを注水して燃料下部から冷却を行っているが、東電では燃料の崩壊熱から計算して「3m3分が冷却に直接使われず無駄になっている」(松本純一原子力・立地本部長代理)と見ている。また、これが建屋の地下に流れ出し、高濃度汚染水となって復旧作業を妨げている。このためCS系の稼働と同時に給水系の注水量を段階的に3m3/hまで低減し、無駄な注水を抑制する。併せて、CS系からの注水が原子炉圧力容器の温度低下に効果的であるかどうかも検証する。

●「福島第一原子力発電所3号機炉心素プレイ系ライン追加による原子炉注水方法の多様化について」(2011年8月23日、東京電力)


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