産業用ロボット

2011.08.06
栗本鐵工所、ロボットアームを利用したトランスファー装置を公開

 栗本鐵工所は、8月3~6日開催の「プレス・板金・フォーミング展(MF-Tokyo2011)」で東洋理機工業と共同開発した、鍛造プレス向け自動搬送(トランスファー)装置「TES-25R」をパネル出展した(写真)。プレス金型の周囲に配置した4本のロボットアームにより、金型の送り方向に配置した一対のビームをワークの送り方向(フィード)と前後方向(クランプ)、上下方向(リフト)の3次元で動作する。ビームにはワークを前後方向からクランプする複数フィンガーが配置されており、このような動作によりワークを、配列された複数の金型に順送することができる。従来の直交3軸機構のトランスファー装置に比べ、コンパクトかつ設置スペースが小さいため、パネルで示されたように様々な取り付け方法が可能。既設のプレス機械や各社のプレス機械に設置することができる。

0806kurimoto.jpg 公開したトランスファー装置は、おもに4本のロボットアームと、ワークを前後方向からクランプする複数フィンガー配置した一対の平行なビームから構成。ビームはワークの送り方向に配列された複数の金型の前後に配置しており、それぞれの両端部はロボットアームで支持している。ロボットアームによりビームを金型の送り方向と前後方向、上下方向の3次元に動作させることでワークを順送する。供給されたワークを受け取り、フィンガーでクランプして複数の金型に順送し、加工したワークを搬出側に受け渡すことができる。

 各ロボットアームは3軸構成となっており、2つのサーボモータによる水平面内での旋回運動に加え、サーボモータの回転力をボールねじ機構により直線運動に変換することで上下運動も可能。これによりビームを3次元で動作する。(1)クランプ(前後方向)、(2)上昇(上下方向)、(3)前進(送り方向)、(4)下降(上下方向)、(5)アンクランプ(前後方向)、(6)後退(送り方向)の順に動作することで配列された複数の金型に順送することができる(「ロボットアームによるビームの動き」を参照)。
 また、ビームとロボットアームの連結部にはボールブシュを設置しており、ビームの熱膨張や同期制御のずれを許容することができる。ロボットアームの各関節や連結部への負荷がかからないようにしている。

kurimoto、fig.png

 従来は、直交3軸機構を金型周囲に4つを設置したトランスファー装置によりワークの順送を行っていた。部品点数が多いうえ設置面積が大きかったが、公開したトランスファー装置はコンパクト、かつ設置面積が小さいため、プレス機械に対し様々な取り付け方法を選択することができる。アームを吊り下げたり吊り上げたり、片方のアームを吊り上げて、もう片方を吊り下げるといった設置ができる(下図は栗本鐵工所ホームページより引用)。

 東洋理機工業では、特定用途向けの専用ロボットを提案する「カスタムロボット事業」を展開しており、栗本鐵工所と共同開発したトランスファー装置はその1つ。汎用の産業用ロボットは市場のボリュームゾーンに合わせた仕様となっており、動作範囲が大きいわりには可搬重量にも設置スペースにも制約がある。顧客ニーズに合わせた必要機能に絞り込むことで、こうした制約を解消するシステム提案を行っている。これまでに7軸双腕ロボットや4軸水平多関節ロボットなどを開発している。

kurimoto.PNG


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