公共/フロンティア

2011.07.28
東北大の田所教授ら、30日と31日にクインスでキャンパス内を調査

 東北大学は28~31日の4日間にわたり、米国の研究者と共同で、東日本大震災で被災したキャンパス内の建物でロボットの実証試験を行う。千葉工業大学と国際レスキューシステム研究機構(IRS)と共同開発した災害対応ロボット「クインス(Quince)」(写真左)と小型飛行ロボット(写真右)を用いて被害状況を調査する。陸と空の情報を組み合わせれば被害状況をより正確かつ安全に把握できる可能性があることから、その有用性を検証する。危険地所における初期探査や被災後の状況把握に必要な技術の構築を目指す。実証実験の成果は8月1日に東北大で開催される特別講義で発表する。

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 建物などが被害を受けた場合、多角的に被害状況を把握して救出や復興作業の際の二次災害を最小限に抑える必要があり、ロボットの活用が期待される。国内で多く開発されているクローラタイプの探査ロボットは機動力を有するものの被災状況の全体の把握には適さない。一方、小型飛行ロボットはそれに寄与するがバッテリーの制約上、稼働時間に課題がある。実証実験を通じて、双方の利点を生かしつつ多角的な状況把握に役立つ技術を構築する。

 実証実験を担当するのは東北大学の田所諭教授と米Pennsylvania(ペンシルベニア)大学のVijay Kumar(ビジェイ・クマール)教授。7月1日に同大に設置された「極限ロボティクス国際研究センター」として実質的には初めての活動となる。

 調査対象は、同大の大学院工学研究科 電気系1号館(仙台市青葉区)。Quinceに小型飛行ロボットを搭載し、Quinceの踏破性を生かして1階から目的階まで上昇する。目的階に到着したら小型飛行ロボットが離脱し、空と陸から3次元距離計測を行いつつ映像情報を取得。2台が収集したデータを統合して建物内の地図と計測結果のマッピングデータを作成する。

 実験を行う施設は、大震災によって建物の一部が崩れるなどの被害を受け、現在は立ち入り禁止になっている。今回の実証試験で被害の状況などを把握し、今後の復旧に役立てる方針。なおQuinceによるキャンパス内での探査活動は、被災後に一度実施している(写真下、写真は田所教授の講演資料より引用・転載)。

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