安川電機は30日、同社としては初となるパラレルリンク機構を採用したロボット「MOTOMAN-MPP3」(写真)を6月1日に発売すると発表した。手首軸を合わせた計4軸構成(*)で、搬送質量1kg時(最大可搬重量は3kg)の搬送速度が230cpm(cycles per minute)と高速搬送を実現しながら広い動作範囲を確保した。価格は、コントローラとプログラミングペンダントのセットで378万円(税込)。食品・薬品・化粧品の「3品」業界における小物製品や部品の搬送や整列、箱詰め作業を中心に、年間300台の販売を目指す。
景気変動の影響を受けにくい3品業界における小物製品や部品の搬送や整列作業に焦点を当てた(図、同社のハンドリングロボ製品構成)。電子部品の搬送や整列、組立作業への対応を意識したファナックのゲンコツ・ロボット「M-1iA」やパナソニックのパラレルリンクロボは、動作範囲は前者が直径280mm×高さ100mm、後者が直径400mm×高さ150mmなのに対し、直径1,300mm×高さ500mmを確保した。ファナックの可搬重量6kgタイプの「M-3iA」の直径1,350mmの動作範囲に肩を並べる。3品業界で要求される衛生面に配慮して滑らかな本体形状を採用しており、水洗いが可能な防水仕様も用意した。
ビジョンセンサを組み合わせることで、ピッキングと同時に搬送中の整列や箱詰め作業も可能で、また、リアルタイムスケジューリング機能を持つ専用ソフト「MotoPick(モートピック)」を利用することで、搬送ワークの動きに同期して、どのロボットがピックアップをし、どの箱のどの位置に置くかなどを自動演算することもできる。設備稼働率の最適化を図ることができる。
コントローラには高速ハンドリング用途に適した、高速演算が可能なオープンコントローラ「FS100」を新規に開発。ユーザー側で機能を開発・組み込みためのツールや、PLC(Programmable Logic Controller)など外部機器に接続するためのイーサネットや各種フィールドバス通信を用意しており、システム構築が容易に行える。
3品業界でのパラレルリンクロボの利用が広がっており、例えばアストラス製薬がインフルエンザ検査紙の搬送用途で導入しているほか、ロッテがアイスクリームの箱詰めで、アルコメ味噌が味噌パックの箱詰めでそれぞれ利用している。三幸製菓に至って菓子の搬送や箱詰めで、スイスABB製やボッシュパッケージングテクノロジー製など100台近くを導入している。
【注釈】
*:いわゆる「デルタ型」と呼ばれる構成で、XYZの3組のリンクで駆動する。これに対し、パナソニックのパラレルリンクロボは「ヘキサ型」と呼ばれ、6本のリンクをそれぞれ駆動する。簡素な機構で6自由度を確保できる反面、エンドエフェクタ部の回転や傾きなど可動範囲に制約がある。デルタ型を採用しているファナックの「ゲンコツ・ロボット」は、手首軸を3組のドライブシャフトで駆動することにより手首3自由度、計6自由度の構成にすることで、ワークの回転や反転を可能にしている。
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