産業用ロボット

2011.05.25
スキューズ、食品・医薬品の搬送用途に向けスコットラッセル型ロボ提案

 スキューズは、25~27日開催の「中小企業総合展2011 in Kansai」で食品や医薬品などの搬送用途に向けスコット・ラッセルリンク機構を採用したロボット「ASD-1000」(写真手前側)を出展した。同機構の採用により出力80Wと低出力モータの利用を可能にしており、人と共存環境下で運用できる。また、アーム長が575mmと広い動作範囲を確保しながらも設置面積が小さく、既存ラインへの設置が容易に行える。11月からの発売予定で、価格は、ピック&プレースで多用されている小型垂直多関節ロボット以下(150万円前後)に抑える見込み。画像処理システムや5指ハンドを組み合わせたシステムとしての提供にも対応しており、こちらは1,000万円前後での販売を予定する。

squse.jpg スコット・ラッセルリンク機構は、水平方向の直線運動の入力に対し、垂直方向の直線運動に変換する機構。例えば、パイオニアが2010年に発表した「HVT方式」採用のスピーカーのように、通常は駆動力の水平運動を垂直方向に変換したい場合に利用される。ASD-1000ではロボットの手先のモーメントを抑え、かつ低出力モータを利用する意図から、入力した垂直運動を水平方向に変換する構成にした。
  また、汎用ロボットは市場のボリュームゾーンに合わせた仕様となっており、動作範囲が大きいわりには可搬重量に制限があるうえ、設置スペースにも制限がある。同機構の採用により、垂直多関節ロボットのような動作範囲を確保しつつも設置面積を小さくし、かつパラレルリンクロボットやスカラロボットには及ばないものの、ある程度の高速性も確保した。スキューズによると産業用ロボットへの同機構の採用は世界初とのことで、ユニークなポジショニングのロボットといえる。

  おもに食品や医薬品などのピック&プレース作業での利用を想定しており、動画のように、片方のコンベヤで搬送された食品などを、もう片方のコンベヤで搬送されるトレイに詰めたり移し替えたりする工程で使える。ロボット本体のサイズが212(W)×1,011(H)×809(D)mmと設置面積が小さく、写真のように専用架台を利用すれば、既存ラインの脇にそのまま設置することができる。
  また、80Wの低出力モータの利用により産業用ロボットの適用除外(労働安全衛生規則)となるため、安全柵の設置など防護策を簡素化できる。適用現場での稼働実績を積めば、人と共存環境下での運用も可能になる。

  駆動軸は、アームの前後・上下・左右旋回に加え、手先捻りとチルトの計5軸。上軸モータを接続しているアームを「への字」型にすることで手間へのアクセスも可能にしており、動作領域の制限が少ない。可搬重量は1kg。モータ出力が100Wのタイプもある。
  柔軟物のハンドリングに適した同社の5指ハンドや、独SICK製3次元画像認識カメラや三次元メディアの3次元ビジョンセンサを組み合わせたピック&プレースシステムとしての提供にも対応する。

 同社は独立系のシステムインテグレータ(SI)。人の手のように器用かつ柔らかく動くロボットハンドの開発にも取り組むなど、「人の手作業」の提供により作業者を単純作業から開放し、付加価値の高い工程へとシフトすることを提案している。このようなソリューションを前面に打ち出しているSIは非常に珍しく、食品工場などで受注を拡大している。


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