日本原子力研究開発機構(JAEA)は、福島第一原子力発電所原子炉建屋内での作業に向け既存ロボットを改造した。瓦礫を処理しながら放射線量を計測するロボット「JAEA-1号」(写真左)と、積算で数万Svと高い耐放射線性を備える情報収集ロボット「JAEA-2号」(写真右)の2機種で、JAEA-1号には瓦礫を除去する板状の部材を前面に設置し、同2号には耐放射線性に優れるカメラを搭載した。JAEA初の原発事故に特化したロボットとして、リモートコントロール化プロジェクトチームと東京電力の現場スタッフの判断を経た後、6月にも現場に投入される見込み。
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JAEAの既存のロボットは原子炉建屋内での利用に耐える耐放射線性などが課題となっており、事故の状況を踏まえて改造した。
JAEA-1号はスウェーデンBROKK社の遠隔解体ロボット「Brokk40」(現在、この型番はなくBrokk50に相当する)をベースに、対象物を把持するロボットアームに代わり、本体前面に長さ60cm×縦20cmの板状の部材を付加した。1個2kg程度のレンガを20個程度、計40kg程度の重さの瓦礫を排除しながら、放射線量を計測することができる。
本体の高さは約60cm、重量は約300kg。耐放射線性は積算値で数百Sv。耐放射線性が高いカメラを搭載しており、作業員が立ち入ることができない危険地所で線量マップを作成することができる。
同2号は、1999年度に開発した情報収集ロボット「RESQ-A」をベースに開発。高さは約60cmで、重量は約40kg。地上から10~20cmの空間線量を測定する。カメラと計測器以外は、放射線による故障や誤作動が懸念される電子部品を搭載しないことで、高レベルでの耐放射線性を実現した。例えば、モータドライバなどは遠隔地に設置し、無線通信によりモータ本体に制御信号を送信するという方法を採用している。耐放射線性を104~105 Sv相当にしており、高レベルの放射線環境下で約1年間にわたり24時間連続稼働に耐えられるという。
2機種ともバッテリーを使わず銅線ケーブルに接続して電力供給し、50m以上離れた場所から遠隔操作して長時間の作業が可能。2台を合わせての改造費は2,000万円前後。
JAEAでは、5月1日に遠隔で放射線計測などを行うロボット操作車「TEAM NIPPON(チームニッポン)」を福島第一原発敷地内に投入している。トラックバンに厚さ80mmの鉄板で遮蔽したオペレーションボックスを搭載しており、ボックスにはガンマカメラや監視カメラなどが設置。ロボットを遠隔操作しての線量計測などが行える。 今回、開発した2機種のロボットも、ここから遠隔操作が行える。
かつて、1999年9月に発生した東海村JCO臨界事故では、災害終息措置に向け既存ロボットを改造して利用する動きがあったが、もともとそれに対応するシステムではなく、訓練された操作者がいないといった理由から、(災害レベルが国際原子力事象評価尺度でレベル4相当だったこともあり)使われることはなかった。
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