公共/フロンティア

2011.05.16
20Svあるいは30Svに達した時点で電子部品を交換、リモコンPTが推奨

 超学会組織「対災害ロボティクス・タスクフォース」(ROBOTAD)は公式ブログ上で、リモートコントロール化プロジェクトチーム(リモコンPT)がまとめた「汎用重機やロボットにおける耐放射線性評価と管理方法の基本的な考え方 第1 版」を公開。鉛板などによる電子部品の遮蔽は動作性能の低下につながるとし、20Svあるいは30Svに達する時点で電子部品の交換を推奨していたことが公式に明らかになった。また参考として、4月15日と20日に実施した「Quince(クインス)」(写真、4月24日発表のタイプ)の耐放射線試験の結果も公開し、レーザレンジファインダー(LRF)とカメラ以外のデバイスは200Gy(=Sv)まで耐えられたことも紹介した。Quinceでは、最終的には遮蔽板を付加しないという選択がなされたが、公開した第1版が4月27日にまとめられていることを踏まえると、Quinceの試験結果がこれに大きく影響を与えたと判断される。

quince24.jpg  公開した第1版では、「原子力防災支援システム開発補助事業」(製造科学技術センター、2000年度)の開発システムが20Sv以上の耐放射線性を有していたことなどを踏まえ、汎用電子部品で構成された電子回路の耐放射線性を10~100Svと(概略)評価。また、重機やロボットで使用される電子部品は分散配置されており、その1つひとつへの遮蔽板の設置はスペースや重量の制約上難しく、重量超過による動作性能の低下につながるとの判断から、放射線による損傷を未然に防ぐ寿命管理方法の選択が導出されている。
  さらに、故障時に回収困難なシステムと回収可能なシステムに分けた管理方法が検討され、前者に該当する大型の建機やロボットは20Sv、後者のレスキューロボットなどは30Svに達する時点で、それぞれの電子部品の交換を推奨するに至ったことが触れられている。構成部材の耐放射線性の目安については、第1版を参照してほしい。

 併せて、4月15日と20日に実施したQuinceも耐放射線試験の結果についても公開。CPUボードやカメラなどには計10時間、トータルドーズ(積算吸収線量)で200Svを、LRFや画像センサなどには計5時間、トータルドーズで200Svを照射(コバルトを線源とするガンマ線を照射)し、それぞれ動作確認がなされている(試験条件の詳細は第1版の添付資料を確認してほしい)。
 2日間にわたる試験の結果、カメラが169Gy、LRFの1つが124Gyで故障したものの、それ以外のデバイスは200Gyまで耐えられたことが紹介。1Gy/hの放射線下で150時間以上動作できると解釈されることから、鉛板の設置は不要という判断に至ったことが明らかにされた。

 LRFについては、メーカー名や型番などは明かされていないが、3種類を対象に行っており、故障したのはそのうちの1種類。200Gyの線量でも故障せず、安定した計測値を示したタイプに防水処理を施して運用することが望まれるとしている。さらに、もう1種類については、照射中は測定値が無限大になる現象がランダムに発生し、全体の測定値に大きな誤差が乗る症状が発生したことなどが報告されている。詳細はROBOTADの公式ブログを参照してほしい。

「汎用重機やロボットにおける耐放射線性評価と管理方法の基本的な考え方 第1版」


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