公共/フロンティア

2011.04.23
消防の指示のもとロボット探索に伴う住居侵入は正当業務に、小林弁護士

  次世代ロボット開発ネットワーク「RooBO(ローボ)」会員である花水木法律事務所の小林正啓弁護士は、京都大学の松野文俊教授らによる東北地方でのロボット探索活動についてコメントし、現場の消防や自衛隊員などの指示命令に従っての探索活動であれば正当業務行為として「住居侵入罪」の違法性が阻却されるとの見解を示した。松野教授らは3月19日に岩手県野田村で探査ロボットによる被災施設の調査を申し出て、現場の消防隊員は利用に前向きだったものの、施設所有者の許諾が得られず(厳密には所有者と連絡がとれず)実施できなかった。村側から許諾を得るよう要請されたためだが、正当業務行為に当たるとの認識が被災自治体に広がれば、こうしたロボットによる探索活動が展開しやくなる可能性がある。

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岩手県野田村での調査の様子(左)と実施できなかった倒壊施設の様子(右)。消防署の屋上から被災現場を一望して調査対象を検討している。

  松野教授らは先月18日と19日に青森県と岩手県の両県で探査ロボット「KOHGA3」による探索活動に当たった。青森県八戸市内施設の調査では、非常勤講師を務める八戸工業大学を通じて施設所有者の許諾が得られ、天井付近の崩壊の様子などを記録することができた(動画)。一方、翌19日の岩手県野田村で被災施設の調査では施設所有者の許諾が得られず、実施できなかった。施設の1階付近は津波による被害が甚大で、かつ余震による倒壊が懸念され、現場の消防隊員はKOHGA3による探索に前向きだったにもかかわらずである。

  小林弁護士のコメントは、こうした課題に対してなされたもので、「消防隊員や自衛隊員が災害現場において捜索・救助活動を行うとき、家屋に侵入する行為は、形式的には住居侵入罪に該当するものの正当業務行為として違法性が阻却され、結論として適法と評価されるものと考える。これら正当業務行為を行う者の指示命令に従って行為する民間人については同様に考えてよいと思われる」と回答してくれた。
  一方、指示命令がないままの探索活動については、「緊急事態であったり、緊急避難が成立する場合でなければ難しいかもしれない」とし、「現実問題としても、民間人による勝手な捜索を認めてしまえば外形的には泥棒と区別がつかなくなってしまうことが危惧される」との見解も示した。

 ただ、探査ロボットをはじめとする対災害ロボットが高度救助隊や消防隊が装備する正規の資機材であれば、施設所有者の許諾を得るといった手続きを、行政側から求められることはない。昨年4月に、総務省により特別高度救助隊および高度救助隊は検知型遠隔探査装置(レスキューロボットなど)を備えるよう省令改正がなされたが、これが実行力を伴う改正となるよう、つまりロボット研究者には正規の資機材となり得る対災害ロボットを開発することが求められている。

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