公共/フロンティア

2011.04.11
【第2報】IRS、岩手県宮古市から陸前高田市の港湾内で水中探査へ

 国際レスキューシステム研究機構(IRS)副会長であり、京都大学大学院工学研究科の松野文俊教授は先月31日に、岩手県災害対策本部より宮古市から陸前高田市にかけての港湾内で、水中ロボットによる行方不明者の探索依頼を受けたことを明かした。水中ロボットで海中を探索し、遺体を発見した場合は自衛隊に通報する。松野教授の協力要請を受けた東京工業大学の広瀬茂男教授らが、所有する水中探査ロボット「アンカーダイバ 3号機 AK-3」(写真)で海中探査を行うプロジェクトを提案し、活動を支援する母船およびダイバーの提供を要請している(11日夜にダイバーの提供要請はなくなりました)。テキサスA&M大学のRobin Murphy(ロビン・マーフィー)教授の来日のメドが立ちつつあり、広瀬教授らと連携しての探索活動が見込まれる。

ak-3.PNG  先月、青森県と岩手県の両県での調査活動で知り合った地元の消防署や漁場整備事務所を通じて依頼された。Murphy教授が所有する水中ロボットの仕様などを伝えたところ、「その性能を理解いただき、すぐに水中探索を要請された」(松野教授)という。

  調査対象の1つである陸前高田市の港湾の水深は約15mで、視界は30~50cm。海面および海中には瓦礫が多数堆積しており、多数の危険地所が存在する。広瀬教授らは、アンカーダイバで母船上から海中を探索し、遺体らしきものを発見すればダイバーが可能な限り近づいて調査し、遺体であることを確認した場合は、その位置座標を同本部を通じて自衛隊に通報する、という計画を立てている。
 Murphy教授が持ち込む予定の水中ロボットは、水中での被害調査や水中にあるパイプ内の調査が可能で、アンカーダイバーと連携しての探索活動が展開されると見込まれる。

 IRSへの水中探索については、長岡技術科学大学の木村哲也准教授を介して宮城県南三陸町からも行方不明者の探索で協力要請を受けている。各現場の状況や移動および滞在などを考慮しつつ、探索の順番や手分けしての探索などを検討する。陸前高田市の港湾内の調査手順については、岩手県災害対策本と広瀬教授との間で直接、確認してもらうという。

 なお、松野教授は先月の調査で、青森県八戸港(写真下)での水中ロボットによる障害物調査および3次元海中地図の作成への協力要請を受けていたが、「その後、障害物の撤去作業が進展したため、現段階では水中ロボットの出動要請はなくなった」(松野教授)としている。

Hachinohe-koh.jpg青森県八戸漁港の様子。3月19日に松野研究室が撮影。現地より早急な依頼を受け、国内外の研究者に探索への協力要請をしたが、対応できる研究者がいなかった。青森県三八地方漁港漁場整備事務所が建設業者などに依頼をし、ソナーなどを用いて海中地図を作製したうえで障害物を除去したものと思われる。

 

岩手県災害対策本部から提供された国土地理院サイト

 

【関連記事
IRS、宮城県三陸町で水中ロボットによる行方不明者の捜索へ (2011/04/06)
復旧に向け探査ロボのニーズがある、松野京大教授、東北での調査を振り返る (2011/03/28)




好評連載がついに書籍化!


―東大研究者が描く未来―


国内外の事業例を解説


消費者が描く未来生活を紹介