ゼネコン各社は、東日本大震災で被災した危険区域の復旧に建設機械を遠隔操作する「無人化施工」技術を活用する。まず、大手数社が東京電力福島第一原子力発電所の瓦礫除去や後方支援などに適用すると見られる。無人化施工は長崎県・雲仙普賢岳や北海道・有珠山の噴火、鹿児島県南大隅町の土石流といった自然災害の対策工事で成果を出してきた。ゼネコン各社は無人化施工を手がける技術者と専用機を東北に送り込む。
無人化施工は建設機械操縦者(オペレータ)の安全が確保できない場所で工事を行う遠隔操作技術。建機に複数のカメラを設置し、離れた操縦室から無線で遠隔操作をする。土砂崩れの恐れがある場所でオペレータの避難が遅れて二次災害につながるといった危険を防ぐ。複数の無線中継機を設置し、安全な所から現場までを結んで操作できる。
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複数の建機を遠隔操作で稼動させた実績がある(大成建設、写真左)、特殊技能を持つオペレータの活躍が期待される(鹿島、写真右)
このシステムで建機を操縦できるオペレータは「全国に40人程度」(業界関係者)という特殊技能。専用機とオペレータは建機を使い大規模ダムや空港の用地埋め立てや道路などを手がける土木専門建設会社数社が保有して大手ゼネコンを支えている。
福島第一原発の無人化施工による復旧支援で大成建設、鹿島、清水建設、大林組の技術陣が現地入りしているもよう。無人化施工は建物解体に使えるが、福島第一原発の建屋は「ビル解体に使うブーム(腕)が数十m伸びる特殊な解体機が必要になる。また、放射能汚染されたコンクリートをむやみに解体できない」(大手ゼネコン関係者)と課題もある。このため当面は瓦礫撤去や原子炉近くで作業を行う前準備など後方支援で活用すると見られる。
インフラ復旧に向けて今後は、のり面(人工斜面)が大規模に崩落している道路や、橋の本格復旧など、作業員の安全確保が必要な区域で無人化施工が有効となる。「国や自治体から要請があれば、いつでも対応する準備ができている」(大手ゼネコン関係者)という。
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