公共/フロンティア

2011.03.27
長岡技科大の木村准教授、レスキューロボで貴重品を探査するボランティア開始

 長岡技術科学大学 システム安全系の木村哲也准教授は4月1日以降をめどに、レスキューロボットを用いて瓦礫となった倒壊家屋の中から貴重品などを探索する「ロボット探査ボランティア」を開始する。近く始まるボランティアによる瓦礫などの撤去作業時に、人が立ちれない危険地所での探索を行う。家族の貴重品や思い出の品のほか、中小企業の工場などの被災状況の調査も請け負う。28日頃以降に、木村研究室のホームページより申し込みを受け付ける。また、長岡市内のボランティア団体と連携して情報収集を行い、週末(4月1日)頃から活動を展開する。

nutech-r.jpg レスキュー活動ではなく専門技能を備えるボランティア活動として被災地に入り、瓦礫の撤去作業や貴重品の探索に携わるボランティアの危険の低減に役立てる。東日本大震災の発生から2週間以上が経過し、各地からのボランティアの受け入れが本格化しつつある。こうしたタイミングを見計らって計画した。

 また、木村准教授は2007年の新潟県中越沖地震を経験しており、被災者が倒壊家屋や損壊家屋から貴重品や思い出の品を取り出す様子を目の当たりにしている。自治体などが重機や建機を用いて、瓦礫となった倒壊家屋などをいっせいに除去するが、「被災者が震災から立ち直り、主体的に次の行動(生活)に移るためには、被災者自身が貴重品などの有無を確認したうえで除去を判断するのが大切」(木村准教授)との思いから計画した。
 加えて、生存率が著しく低下する72時間(ゴールデン72アワーズ)がすでに経過し、レスキューロボを効果的に運用できる状況にない中で、ボランティア活動ながら活動実績を積み上げるという意図もある。さらに言えば、行方不明者の探索など本来のレスキュー用途での利用となると、行政や消防局が活動許可を下せないという事情を考慮した活動でもある。

 ロボットには、木村研究室が保有する「NuTech-R(ニューテックアール)」(動画は1月に標準評価試験法にトライしたときの様子)を利用する。サブクローラ(フリッパー)を有しており、登坂可能斜度45°(滑りがない場合)、乗り越え可能最高段差340mmと高い機動性および走破性を備える。2008年のロボカップ世界大会「Robot Rescue League」で第4位になった実績を持つ。故障時の部品交換などのサポートは、共同開発した、ながおか次世代ロボット産業化機構(Nexis-R)が行う。
  調査に当たっては、ボランティア活動保険に加入し、かつ調査依頼側との責任区分を明瞭にしたうえで臨む。例えば、探索中にロボットが故障したときは木村研究室は修理代を請求しない、探索中にロボットが家財を破損したときは依頼側は損害賠償を請求しない、といったことである。

 震災発生後、被災自治体によるレスキューロボの受け入れがなされないことが報道されたが、木村准教授は、現在のレスキューロボは「災害現場で高度救助隊などの必須の資機材として、自分たちの命を預けられる資機材として信頼感を勝ち得ていない」と話す。「活動実績を1つひとつ積み上げていくことで、次の震災ではゴールデン72アワーズで使ってもらえるようにつなげていきたい」(同)と続ける。

国際レスキューシステム研究機構・神戸ラボにて傾斜走行(MOBILITY:TERRAINS CROSSING PITCH/ROLL RAMP)にチャレンジする「Nutech-R」(下)。


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