公共/フロンティア

2011.03.19
京大の松野教授、八戸工大でレスキューロボによる調査活動へ

 国際レスキューシステム研究機構(IRS)は18日、京都大学教授であり、八戸工業大学非常勤講師も務める松野文俊氏中心とするグループが青森県八戸市の八戸工大で、レスキューロボットによる調査活動に入ったことを明らかにした。八戸工大の協力のもと同大学の被害状況や市内の津波による被害の調査などに当たる。

 松野教授が八戸工大の先生に安否確認を行った際、同大学およびの市内の被害状況を知り、調査活動を行うことになった。
  投入するのは、松野研究室が開発した「KOHGA3(コーガ3)」(動画上、米Disaster Cityでの検証の様子)。クローラを上下にスイングするクローラアームを採用したのが特徴で、環境に応じた走行が行えるなど高い踏破性を備える。調査活動の詳細については後日、松野教授にヒアリングした後に紹介する。

 IRSでは東日本大震災の発生直後より、被災地域での調査活動の実施を模索すると同時に、東北大学の田所諭教授と千葉工業大学の小柳栄次教授、長岡技術科学大学の木村哲也准教授からなる調査チームを結成し、「Quince(クインス)」や「Kenaf(ケナフ)」、能動スコープカメラ(動画下)を持ち込んで仙台市内で待機していた。
 仙台市をはじめ被災地の行政機関や各地の消防隊やレスキュー隊とのコンタクトを図り、活動の受け入れや情報共有などを要請したが、行政機関が機能していなかったり被災現場での対応に負われたりしている状況だったため、これらの要請が検討されないままでいた。16日頃にはチームをいったん解散し、行方不明者の探索や有害物質の漏洩調査など、次の段階の活動に向け準備を進めている。

 解散した背景には、千葉工大の小柳教授らが太平洋沿岸のコンビナート地域での調査活動の要請を受けたこと(電力事情などにより調査は中止)や、レスキューロボットを運用するための電力があまりに不足していること、現段階でロボットを効果的に活用できる場面が少ないといった事情もある。

 また、2001年の米国同時多発テロの行方不明者の捜索で実績を上げた米テキサスA&M大学のRobin Murphy教授らによる調査活動の受け入れ、行政機関による招待状の発行も打診したが、進展しなかった。こちらについては米国内での調整がつき、行政機関ではなくIRSによる招待状でも来日できるようになり近々、調査活動に入ることを予定している。飛行ロボットや水中ロボットも持ち込むことを計画している。

 今回、レスキューロボットによる調査活動ならびに活動の受け入れがなされなかった背景には、レスキューロボットの認知度の低さもあるが、それらを災害現場で利用するための運用モデルや、活動を受け入れるための体制づくりが国にも自治体にもなかったことがあげられる。この問題については関係者のへのヒアリングを済ませた後、詳細に解説する。

  松野先生をはじめスタッフの皆様の無事のご活動をお祈り申し上げます。


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