行政・施策

2011.02.16
ヴイストンなど、24日より2足歩行ロボットによるフルマラソンに挑戦

 大阪府とヴイストンは、2月24日から4日間にわたり2足歩行ロボットによるフルマラソン(42.195km)に挑戦する。府の緊急雇用創出・重点分野雇用創出事業および第1回大阪マラソンの応援企画の一環として取り組むもので、同事業で新規雇された人や、府内の企業や大学からなる6チームがロボットのバッテリー交換やメンテナンスを行いながら完走に挑む。競技会場は大阪・南港のアジア太平洋トレードセンター(ATC)内のエイジレスセンター。競技の模様はUSTREAM上で観戦することができる。

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会見に臨む参加チーム(写真左)。左からBeautoEV(ヴイストン)、Robovie-X(大阪労働協会)、RB2000(大工大)、Robovie-PC(ヴイストン)。デモ走行を行うRobovie-PCと追跡するBeautoEV(写真右)。

 「ろぼまらフル」の企画名で取り組む。2足歩行ロボットによるフルマラソンへの挑戦は世界初となる。チャレンジする期間は、2月24日の10時~27日の午後8時までの4日間。参加チームは、ヴイストンから2チーム、大阪労働協会から1チーム、大阪工業大学から2チームの計5チーム。大阪労働協会は、同事業の受託事業者として参加する。
  走行コースは1周100mとなっており、これを423周する。最終周は95mでゴールする。メンテナンスはサーボモータの交換を行うのみとし、機体全体には行わない。メンテナンスに要した時間も走行時間に計測する。

 ランナーには、ヴイストンチームは研究者向けの2足歩行ロボット「Robovie-PC」を、大阪労働協会は「Robovie-X Lite」を、大工大は「RB2000」を、それぞれ起用。また、ライントレースロボット「Beauto(ビュート)EV」が中継車として参加し、Robovie-PCの背中のマーカを頼りに追跡してUSTREAM上でライブ中継を行う。

 Robovie-PCは頭部に画像処理用のCMOSカメラを搭載しており、これによりコース上に引かれたラインをトレースしながら走る。動作が不安定なときは無線操縦に切り換える。完走に向け脚部のサーボモータにはハイトルク仕様のものに変更したほか、脚部への負担が小さいフォームで走行できるよう動作プラグラムも工夫している。変更したサーボは金属製ギヤを採用しており、かつヒートシンクの搭載により放熱性に優れることから、1日程度であれば交換しなくて済むと見ている。1回の充電で約500m程度走行する。Robovie-PCのカメラ映像もUSTREAMに配信される。

  大工大のRB2000は、足回りを平行リンク機構に改造した機体で臨む。同機構の採用により膝を曲げても膝上と膝下のリンクが常に平行であるため、足裏と上体を平行に保つ効果が見込まれるが、製作するプラグラムの容易さを狙った採用でもあるという。大工大と大阪労働協会は、無線操縦でレースに参加する。1人当たり8時間操作をし、1日3交代制で臨む予定。

  大阪府としては今回の企画により、新規雇用者がロボット産業や環境・新エネルギー分野で活躍できる人材の育成ならびに、これらの分野への関心の喚起につなげる。

 Robovie-PCは、インテル製ATOMプロセッサを実装する小型ボードPCを内蔵する研究開発向けの2足歩行ロボット。デスクトップPCと同等の処理能力と潤沢なリソースを有する。USBコネクタを2口搭載しており、3DデータカードやUSB Bluetoothスティックなどを接続することで外部システムと通信したり、搭載した130万画素COMSカメラで画像処理をしたり映像を伝送したりすることができる。画像処理や視覚情報を利用した遠隔操作などが行える。2009年10月の発表以来、大学などを中心に50台以上を販売している。

●ろぼまらフル
http://www.ustream.tv/discovery/live/all?q=vstonevstone


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